10年本決算は166%増益、政策支援や業界統合が追い風
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00371 | 北控水務集団有限公司(ベイジン・エンタープライジズ・ウォーター) |
2.70 HKD (03/31現在) |
株価 企業情報 チャート |
北控水務集団の2010年12月本決算は、売上高が前年比267%増の63億4800万HKドル、純利益が同166%増の5億1250万HKドルを記録し、コンセンサス予想を上回った。プロジェクト建設の進ちょくや水処理量の伸びが大幅増収増益を支えた要因で、BT(建設・移譲)プロジェクトから得られる建設収入は前年の8230万HKドルから46億HKドルに急増した。また、同社の1日当たり処理能力は前年を69%上回る水準に拡大した。
同社は引き続き急成長の勢いを維持しており、10年下期には全事業部門の粗利益率や業務量が上期実績を上回った。一方、利幅が低い建設サービス部門が利益全体に占める割合が45%(10年上期は25%)に上昇する半面、下水処理サービス部門の利益構成比は31%に低下(同40%)。また、下期の一般管理費は上期比で73%増大し、財務コストも同42%増加した。BOT(建設・運営・移譲)プロジェクトの建設サービス収入の比重拡大が管理費を押し上げた要因。先ごろ株主割当増資を完了したのに伴い、財務コストの増大圧力は軽減される見通しとなった。
中国では向こう数年にわたり、水道処理業界が急成長を遂げる可能性が高い。国内の深刻な水質汚染や水資源の枯渇、下水道敷設の立ち遅れ、汚水処理能力の低さ、効率的な料金体系の欠如などを受け、中国政府が第12次5カ年計画(11-15年)の下、業界改革を急ぐ方針を示したことが背景。また、既存の上下水道処理施設は収益性が低く、市場が極めて細分化していることから、BOCIはこの先、業界統廃合が進むとみている。また、その過程では、政府と緊密な関係を持ちながら豊富な経験を有し、手元現金が豊富な事業者の買収チャンスが広がるとの見方。北京控股(00392)を親会社に持つ同社は財務や政府との関係、さらに北控中科成環保集団(中外合弁会社)に専門チームを抱える点が強みであり、今後の業界統合の進行が追い風となる見通しを示している。