10年本決算で35%の経常増益、既存店売り上げが25%の伸び

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03308 金鷹商貿集団有限公司(ゴールデン・イーグル)  16.5 HKD
(03/30現在)
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ゴールデン・イーグルの2010年12月本決算は、純利益(転換社債評価損益を除く経常ベース)が前年比35%増の9億4100万元と、BOCI予想を1%下回った。同期の総販売収入は同34%増の110億元。既存店売り上げ伸び率は25.1%と、同業銘柄を上回った。同社は店舗網拡大を加速させており、主要事業拠点とする江蘇省に隣接する安徽省に進出。また、江蘇省でも新規出店を通じて店舗数を拡大し、リーディングポジションを強化している。BOCIは同社が店舗の総床面積を向こう3年間で3倍に増やすと予想しながらも、新店舗が収益力を圧迫する可能性を指摘。コミッション率に対するより保守的な想定に基づき、2011-12年の利益見通しを6-7%下方修正した。一方、06年以降の平均PERに基づいて目標株価を引き上げ、同社株価の先行きに対する従来の中立的な見方を強気に引き上げている。

10年通期には既存店売り上げの前年比25.1%の伸びが(10年上期には前年同期比25.4%)総販売収入の増加に寄与した。旗艦店である南京新街口店の既存店売り上げ伸び率は14.7%で、総販売収入は32億5000万元弱。また、揚州店、徐州店の既存店売上高は18.7%、24.9%増加し、BOCIの予想を上回った。BOCIはこの3店舗の営業年数が平均10.7年であることに言及し、10年通期の既存店売り上げ伸び率が極めて高水準に達したと評価している。一方、開業3年未満の南京珠江店、准安店、泰州店の既存店売り上げはそれぞれ42%、62%、82%急増し、同社全体の売り上げの伸びに大きく寄与した。

同社は10年に安徽省に進出し、まずは7月に総額2億6700万元で「瑞景」百貨店2店舗を買収した。さらに11月には同省3号店となる准北店を開業。今年1月には合肥店をソフトオープンして4店舗体制とし、戦略的店舗拡大に向けた基盤を整えた。

同社は今後、13年までに16店舗を出店する方針だが、この先開業予定の店舗は大型店が多く、総床面積は平均8万1000平方メートル(既存店舗は平均3万4000平方メートル)。これにより、店舗全体の総床面積は10年比で3倍に達する見通しとなった。さらに注目されるのは、同社が既存の事業エリア(安徽省、陝西省西安市、雲南省昆明市)で店舗網拡大を目指していること。例えば安徽省は江蘇省に比べて経済的に立ち遅れているが、消費性向の面で江蘇省との類似点が多く、成長潜在力はより大きい。同社は高級なブランドイメージや商品供給源を武器に、安徽省では向こう3-5年間で6-8店舗を出店する計画を明らかにしている。

一方、同社は今後、自社保有物件の割合を総床面積の67%に引き上げる計画。BOCIは自社物件の比重拡大により、賃料高騰への抵抗力が高まると同時に、不動産評価額の上昇による恩恵が期待できるとしている。