10年本決算は125%増益、販売価格の上昇見通しで11年も好決算持続へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01171 エン州煤業(イエンチョウ・コール・マイニング)  25.65 HKD
(03/29現在)
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エン州煤業の2010年12月本決算(国際会計基準)は、純利益が前年比125%増の92億8000万元に達した。豪ドル高を背景に為替差益26億7000万元を計上したことが大幅増益の一因。この要因を除いた場合の通期コア利益は前年比およそ77%増の72億8000万元と、ほぼBOCIの予想通りの水準となった。

コア利益の急増を支えたのは自社生産分の石炭販売量が4430万トンに拡大したことや、実勢平均販売価格が前年を25%上回ったことなど。09年後半にオーストラリアの旧フェリックス・リソーシズを買収した効果や趙楼炭鉱(山東省)の産出量の伸びが生産量拡大に寄与した。また、豪子会社と趙楼炭鉱は産出される石炭の質が高く、同期の平均販売価格の上昇を支える要因ともなった。このほか、10年通期には本社のコスト削減方針や生産量の拡大を受け、傘下の大半の炭鉱で単位当たり生産コストが前年並みを維持した。

同社経営陣によれば、11年の販売量は前年比9%増の5400万トンに達する見込み。豪ヤンコール・オーストラリア、趙楼炭鉱に加え、新たに買収した安源炭鉱(内モンゴル自治区)が寄与するとみられている。また、BOCIは11年の平均販売価格が同7%上昇すると予想し、水害後の供給ひっ迫を受けたオーストラリア産の値上がりが価格上昇の原動力となる見通しを示した。同社はオーストラリアで、11年1-3月期向けに288万トンの供給契約を締結したが、契約価格は1トン当たり133.4米ドルと、10年の平均値(同118.2米ドル)を大幅に上回る水準。4-6月期分には一段の契約価格の上昇が見込まれている。

一方、同社は今回初めて、第12次5カ年計画(11-15年)期間中の目標を発表。5年後に年産量を1億5000万トンに引き上げる方針を明らかにした。この目標の達成には買収が不可欠とみられ、11年以降は新規に取得した資産が生産拡大に寄与する見通しとなった。同社は10年初め以来、炭鉱5カ所の買収を実施したが、うち中国国内に位置する炭鉱3カ所の年産能力は計1620万トン。同社はまた、政府の支援下で、楡樹湾炭鉱(陝西省:年産800万トン)をめぐるトラブルの解決に向けて全力を尽くす方針を示した。

BOCIは10年通期決算やアナリストミーティングで得られた情報をもとに、11-12年の利益見通しを上方修正。11年のコアEPS伸び率が前年比60%強の伸びを示すと予測している。また、11年予想PER12倍に基づいて目標株価を引き上げ、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続した。