商用車販売好調で10年通期に25%増益、中価格戦略でシェア拡大
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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01122 | 慶鈴汽車(チンリン・モーターズ) |
2.14 HKD (03/25現在) |
株価 企業情報 チャート |
商用車販売の急成長を背景に、慶鈴汽車の2010年12月通期の純利益は前年比25%増の3億200万元に達した。同期純利益はBCOI予想を3%上回る水準。また、同期には“高品質・中価格帯”戦略が奏功し、市場シェアを拡大させた。通期の販売台数は前年比38%増で、売上高は36%増。営業利益率は前年の4.3%から4.2%へやや低下した。同社は昨年、急速に販売拠点を拡大し、これまでの先進都市部や省都、地域経済ハブから、地方都市やそれ以外の地方エリアなどに販路を広げた。一方、財務も良好で、10年期末の現預金は前年の53億2800万元から53億9100万元に増加。1株当たり現預金は2.17元と、24日終値(2.14HKドル)を上回った。同社経営陣は1株当たり0.1元の期末配当(前年は同0.08元)を実施する方針を明らかにしている。
中型・大型トラック部門の販売収入は、10年通期に前年比39%増の11億8300万元。一方、中価格帯戦略が響いたとみられ、同部門の営業利益は同44%減の2470万元にとどまった。同社は昨年、中型・大型トラックのディーラーを増やし、アフタサービス機能を向上させた。BOCIは11年通期の部門売上高について前年比50%の伸びを予測している。
一方、軽トラック部門(ピックアップトラックを含む)の販売収入は34%増の46億2500万元に達した。利益貢献は76%の大幅増。営業利益率は前年の3.8%から5.0%に上向いた。
BOCIによると、同社は今後も市場シェア拡大に向けて高品質・中価格帯戦略を維持するとともに、販売ネットワークの拡大を持続してマーケティング能力を強化し、市場シェアの拡大を図る方針。また、同社は向こう3カ月間分の部品在庫を保有しており、日本の震災による生産活動への影響は、短期的には軽微にとどまる見通しという。このほか、BOCIは同社全体の11年通期の販売収入が前年比27%拡大すると予想。目標株価をやや引き上げるとともに、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。