10年本決算は32%増益、中国海洋石油など石油各社の設備投資拡大が追い風
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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02883 | 中海油田服務股フン有限公司(チャイナオイルフィールド) |
16.34 HKD (03/24現在) |
株価 企業情報 チャート |
中海油田服務の2010年12月本決算は、純利益が前年比32%増の41億2800万元と、BOCI予想を10%下回った。主に正味為替差益が予想以上に小さかったことが背景。同期のEBIT(金利・税引き前利益)はほぼ予想通りの水準だった。
同期の利益成長をけん引したのは掘削部門で、営業利益(EBIT)は前年比28%増の35億元。09年半ば以降に引き渡されたジャッキアップリグ2基が通期フルに貢献したことや、半潜水リグ、宿泊用リグのデイレート(日割作業料率)が上昇したことが同部門の好決算に寄与した。ほかに坑井サービス部門は前年比2%減収となったが、EBITは同10%増の8億1400万元。また、多目的船14隻を廃船とするなど船隊規模を調整したことが影響し、海洋支援(近海作業船サービス)・輸送部門のEBITは17%減の5億4200万元。同部門では2700万元の資産減損損失の計上も響いた。物理探査部門(地震データ収集、海洋調査、データ処理など)のEBITは同5%増の3億3900万元だった。
BOCIはこの先、同社の経営環境が上向くとみている。バークレイズ・キャピタルの調査によれば、石油会社の設備投資はアジアで前年比9%、世界全体で同10.8%の伸びを示す見込み。特に同社最大の取引先である中国海洋石油(00883)は11年の設備投資を前年比73%拡大する方針を明らかにしている。中海油田服務は需要を取り込むための設備投資を進めており、11年には前年末に納品された200フィート型ジャッキアップリグ2基および2500フィート型半潜水リグ1基が寄与する見通しとなった。
深水探査を行う中国海洋石油の戦略に応じる形で、中海油田服務は深水業務能力の向上を目指す方針。2500フィート型半潜水リグは10年後半に納品された1基に加え、11年半ばと12年に各1基の引き渡しが予定されている。さらに注目されるのは、親会社が投資した1万フィート型の深水半潜水リグを11年半ばに受け取る運びとなったこと。また、年内に深水多目的船舶2隻と深水物理探査船2隻の引き渡しが行われる予定。
同社はA株の新株発行を通じて最大70億元を調達する計画であり、中国証券監督管理委員会の認可が下り次第、年内に増資を実施する見通しとなった。
内戦が勃発したリビアには陸上リグ5基などを保有するが、2月後半に中国人スタッフを帰国させ、現在は現地スタッフが管理に当たっている。BOCIはリビア情勢を受けて3カ月間に失われる収入が1日当たり7万米ドルに上るとの見方。また、サウジアラビアに1基、イラクに4基のリグを保有するため、仮に反政府デモが両国に波及した場合にはさらにダメージが広がる可能性を指摘している。
BOCIは11年の利益見通しを3%引き上げる一方、12年の利益見通しを3%下方修正したが、基本的には向こう3年間、コア利益が1桁台後半から2桁台前半の伸びを維持すると予想。目標株価を引き上げた上で、株価の先行きに強気の見通しを継続した。