10年本決算、製品販売の好調と利益率の改善で121%の大幅増益

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03339 中国龍工控股有限公司(ロンキン・ホールディングス)  4.9 HKD
(03/21現在)
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中国龍工の2010年12月本決算は、純利益が前年比121%増の17億6600万元と、予想を上回る水準に達した。建設機械製品の販売急増や利益率の向上が大幅増益を支えた。売上高は同74%増の120億2000万元。単位原価の低下や製品販売価格の上昇、さらに利幅の高い掘削機の比重拡大を背景に、10年通期の粗利益率は28.5%へ一段と上向いた(前年は23.4%、10年上期は25.2%)。同社は1株当たり0.1HKドル(前年実績は0.07HKドル)の期末配当を実施する方針を明らかにしている。

製品別にみると、10年通期のホイールローダーの売上高は前年比66%増の83億4300万元。売上構成比は前年の73%から69%に後退したものの、引き続き最大の収益源となった。BOCIによれば、ホイールローダー販売台数は前年比59%増の4万142台に達し、国内市場全体の伸び(前年比51%)を上回ったとみられている。一方、同期には掘削機の販売が急拡大し、売上高は同153%増の19億5700万元を記録。売上構成比は前年の11.2%から16.3%に上昇した。このほか、フォークリフト、ロードローラーの売上高もそれぞれ101%、48%の伸びを示した。

中国国内の建設機械需要は今も旺盛。11年1-2月の固定資産投資は前年同期比24.9%増と、10年通年の前年比24.2%から一段と加速した。BOCIは1-2月の同社のホイールローダー販売台数が前年同期比41%増の3320台に上ったと予想。掘削機については同3.5倍増の約1100台に達したとみている。BOCIによると、国内の建設機械業界は向こう3年間、急成長の勢いを維持する見込み。GDP(国内総生産)や固定資産投資の高い伸び、さらに都市化、インフラ投資の急増、海外需要の拡大などが成長を後押しする見通しという。

11年通期の販売台数について、BOCIはホイールローダー、掘削機がそれぞれ前年比25%増の5万170台、同91%増の8000台に達すると予想。粗利益率は約28%の水準を維持するとみている。

BOCIは予想を上回る10年の好決算を受け、11年の利益見通しを45%上方修正した。これに伴い目標株価を大きく引き上げ、同社株価の先行きに対する強気見通しを継続した。なお、同社のリスク要因としては、鋼材価格の上昇や、国内の引き締め政策が予想以上に厳しくなる可能性を指摘している。