国際原油相場の高止まりと石油製品値上げが追い風、利益見通し上方修正

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00857 中国石油天然気(ペトロチャイナ)  10.44 HKD
(03/16現在)
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ペトロチャイナの2010年12月本決算の発表を控え、BOCIは同期純利益が前年比36%増の1400億元に上る見通しを示した。石油探査・生産部門が大幅な利益成長を達成し、同期の増益決算をけん引するとの見方。原油の実勢販売価格が前年比36%高の1バレル当たり73.3米ドルに達する見通しから、探査・生産部門のEBIT(金利・税引き前利益)が同52%増の1594億元に上るとみている(国際会計基準)。一方、石油精製・化学部門の利益は落ち込む見込み。中国政府は昨年、ガソリン、軽油価格を9-10%引き上げたが、ブレント原油スポット価格の上昇率(20%)を大幅に下回る水準にとどまった。ただ、10年通期には探査・生産部門の好決算が精製部門の不振を十分カバーできる見通しという。また、BOCIによると、10年10-12月期の利益は前四半期比16%増の400億元に上る見込み。10月後半、12月後半に行われた石油製品価格の値上げが、10-12月期利益を押し上げたとみられている。

原油相場はこのところ、北アフリカ・中東情勢の緊迫化を受けて高騰している。チュニジアからエジプトに広がった反政府運動はすでに複数の周辺諸国に飛び火しており、リビアでは内戦に発展。地域情勢がいつ落ち着くのか見通しは立たず、原油相場は当面、高止まりする可能性が高い。BOCIはこうした状況を受け、11年のブレント原油平均価格に関する想定値を1バレル当たり94米ドルから104.9米ドルに上方修正。さらに12年についても同94米ドルから102米ドルに引き上げ、13年に関しては同99米ドルとの予測値を設定した。また、長期の原油価格に関する予測値を同94米ドルから97米ドルに上方修正した。 中国政府は原油相場の高騰を受け、今年2月20日にガソリン、軽油、ジェット燃油価格の値上げを実施したが(それぞれ1トン当たり350元値上げ)、このタイミングはBOCIが予想していた4月1日よりも早かった。石油製品の価格決定メカニズムを履行し、値上げを通じて石油製品消費を抑えようとする中国政府の姿勢をうかがわせた。BOCIは次の値上げが4月1日になるとみて、ガソリン、軽油価格の同350元の引き上げが行われると予想している。また、それ以降については12年4月1日、13年4月1日付で、それぞれ同300元、同200元の値下げを想定している。 BOCIは原油価格および石油製品価格に関する想定値の引き上げに伴い、同社の11-12年の利益見通しを3.5%上方修正。また、石油製品の価格決定メカニズムを順守する中国政府の姿勢を受け、石油精製・化学部門および石油販売部門の目標PBR(株価純資産倍率)をそれぞれ11年予想で1.25倍、1.5倍に引き上げた。これに伴い、同社目標株価を引き上げ、株価の先行きに対するこれまでの中立的な見方を強気に修正している。