10年本決算は予想を上回る6%増益、本土公共事業が成長持続へ
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00003 | 香港中華煤気(ホンコン・アンド・チャイナ・ガス) |
17.56 HKD (03/16現在) |
株価 企業情報 チャート |
香港中華煤気の2010年12月本決算は、純利益が前年比5.87%増の55億4880万HKドルと、市場コンセンサス予想(48億3690万HKドル)、BOCI予想(46億6100万HKドル)を大幅に上回った。香港公共ガス事業の堅調に加え、中国本土の公共事業の急成長が背景。主にガス販売の伸びや、江蘇省呉江での水道料金値上げに伴う給水部門の利益拡大が本土事業の成長を支えた。また、同期には香港に保有する国際金融センター(IFC)の不動産再評価益(前年比17%増の7億3400万HKドル)を計上したが、この要因を除外しても、同期利益は市場予想およびBOCI予想に匹敵する数字。同期のEPSは前年比6.6%増の0.778HKドルで、通期の配当は前年並みの1株当たり0.35HKドルを予定している。
本土公共事業の10年通期の売上高は、前年の69億820万HKドルから85億6620万HKドルへ拡大した。同期には新たにプロジェクト9件が加わり、経常利益は前年比35%の伸びを示した。同社は中国国内最大の都市ガス運営事業者だが、これ以上の都市ガス・プロジェクトへの新規投資には慎重姿勢を示している。今後はスケールメリットの拡大に目を向け、既存事業エリアの周辺地域にほぼ限定する形で新規事業獲得を目指すという。また、同社は今後、本土事業に総額30億HKドルを投資する計画。BOCIは本土事業の営業利益の伸びを見込み、この先、香港事業と肩を並べる規模に拡大すると予測している。
江蘇省呉江での料金値上げに伴う給水プロジェクトの収益貢献の拡大も、同期の好決算に寄与した。BOCIは蘇州工業団地(江蘇省)の開発が進むのに伴い、同種の優良公共事業プロジェクトへの投資機会が生まれるとみている。 同社の財務状況は引き続き健全で、同期の純負債比率は22%。インタレスト・カバレッジ・レシオは7.0倍。また、営業キャッシュフローは前年の40億HKドルから52億HKドルに拡大した。BOCIはこうした良好な財務基盤が、本土公共事業やインフラ事業などの新規プロジェクト獲得を支えるとの見方。また、代替エネルギー・プロジェクトへの研究開発を後押しするとみている。 一方、BOCIによると、代替エネルギー事業の先行きには現時点でやや不透明感が残る。同社は代替エネルギー事業への参入を目指して研究開発などを進めてきたが、同事業のプロジェクトの大半は今も調査あるいは建設段階。11年の利益貢献は見込まれていない。 BOCIは本土公共事業部門の成長見通しを反映させる形で、同社の企業評価額を上方修正。これに伴い目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して中立的な見方を継続している。