10年通期のコア利益は前年比倍増、11年は完工物件数の縮小で減益を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00410 SOHO中国有限公司(ソーホー・チャイナ)  5.65 HKD
(03/02現在)
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SOHO中国の2010年12月通期の売上高は前年比146%増の182億1500万元に達した。不動産販売面積は同131%増の40万9106平方メートルに拡大し、平均販売価格は前年を9%上回る1平方メートル当たり4万4524元。投資不動産再評価損益を除くコア利益は108%増の35億1200万元と、ほぼ市場予想通りの水準となった。

同期の粗利益率は前年を1ポイント下回る51%。再評価損益を除くコア利益率は前年を3.5ポイント下回る19.3%だった。主に粗利益率の低下やコア税引き前利益に対する実効税率の上昇(49%→57%)が利益率悪化の原因。土地増値税の納税額が前年の10億8200万元(対収入比14.6%)から30億2500万元(同16.6%)に増大したことが響いた。

11年には物件完工数の縮小が見込まれており、これに伴い、売上高および利益が前年を下回る可能性が高まっている。BOCIによると、11年の完工予定物件の総面積は前年を81.7%下回る7万4638万平方メートル。一方、12年には63万8400平方メートルへの急増が見込まれている。

同社経営陣によれば、11年の成約額は前年並みの水準を維持する見込み(10年は200億-240億元)。まもなく最終期の予約分譲を開始する北京の「Galaxy SOHO」と上海の「Exchange-SOHO」が、11年の成約額の大半を占める見通しという。このほか、同社は延べ床面積50万平方メートルの「Wanjing(望京)SOHO」(13-14年に完工予定)を開発する計画であり、経営陣はこの物件の成約目標を約200億元に設定している。

10年通期の成約額が238億元に達したことで、同社はプラスの現金収支を維持した。経営陣は11年の成約目標を200億元に設定した上で、買収に150億元、建設工事に40億元を投じる計画を明らかにしており、11年の現金収支は10億元のプラスとなる見込み。同社は減益見通しによるマイナス影響をカバーするため、高配当性向を維持する方針を明らかにしている。