2010年第4四半期の業績と石油化学部門の利益率アップを踏まえ、予想利益を上方修正

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00338 中国石化上海石油化工(シノペック・シャンハイ・ペトロケミカル)  4.85 HKD
(02/15現在)
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シノペック上海石化が1月24日に発表した業績見通しによると、2010年12月本決算(中国会計基準)は純利益が前年比50-70%増の23億4200万-26億5500万元に達する見込み。この数値に基づけば、第4四半期(10-12月期)の純利益は第3四半期を85-267%上回る5億5000万-10億9300万元。プラスチックと樹脂の価格高騰が大幅増益の要因となった。中国政府が第4四半期中に2度の石油製品値上げを実施したことも寄与している。

新興国の経済成長により石油化学製品の需要が高まる一方で、供給量は今後10年のピーク時に比べて大幅に減速する可能性が高い。こうした観点から今後は石油化学部門に有利な状況が予想されるとBOCIは指摘。世界的なエチレン生産能力の成長率は向こう数年間、需要の伸びを下回る1ケタ代前半で推移する見通しで、この恩恵を受けて川下の石油化学部門の利益率が高まると予想される。

第4四半期の予想を上回る業績と、石油化学部門の利益率改善見通しの2点を踏まえ、BOCIは同社の10-12年予想利益を17-81%引き上げた。さらに、原油相場の予想値も上方修正。10-12年のICEブレント原油価格(1バレル当たり)をそれぞれ79.2米ドル→80.2米ドル、84.9米ドル→94米ドル、87.3米ドル→94米ドルに見直した。また、11年4月から12年7月まで中国政府がガソリン、軽油、ジェット燃料の価格を1トン当たりそれぞれ200元引き上げると予想している。

BOCIは同社のバリュエーションを11年PBR1.1倍から1.5倍に見直した。これに基づき目標株価を3.20HKドルから4.74HKドルに修正している。株価見通しについては、下値余地は限定的とみて中立の見方に引き上げた。