1月の新規受注が53億HKドル超を記録、本土・香港での受注見通しを楽観
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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03311 | 中国建築国際(チャイナ・ステート・コンストラクション) |
7.02 HKD (02/10現在) |
株価 企業情報 チャート |
中国建築国際の今年1月の新規受注が前年同月の約20倍となる53億1000万HKドルを記録した。第1-2週に25億1000万HKドルを受注した後、月後半にはさらに27億9000万HKドルを上乗せした。1月には中国政府が進める低所得層向け保障型住宅開発計画に絡むBT(建設・移譲)プロジェクト2件を受注し、この分の契約額が合計約20億HKドル。ロケーションはいずれも重慶市で、昨年2件を受注した天津市以外では初のプロジェクト獲得となった。同社は今後、重慶市、天津市に加え、中堅都市での受注獲得を目指す方針であり、BOCIはこの戦略を前向きに評価している。
BOCIによれば、新たに受注した重慶市の2件は天津市の建設事業と同様、粗利益率が10%以上、投資リターン(IRR)が20%に達する見通し。工期は各2年で、それぞれ2013年第1四半期、2013年下期の完工が見込まれるという。
また、BOCIは中国本土の保障型住宅プロジェクト以外に、香港での今後の受注見通しを楽観している。香港では現在、複数の大型インフラプロジェクトをめぐって入札が進行中。香港島南部の地下鉄建設(推定契約額70億HKドル)、広州-深セン-香港間の高速鉄道建設(同550億HKドル)などがこれに含まれる。BOCIによれば、香港事業部門の売上構成比は2011年通期に51%と、引き続き最大の割合を占める見通し。一方、中国本土事業の売上構成比は2010年の25%から、11年には35%に拡大する見通しという。
同社株価は1月半ばに付けた52週高値から10%以上調整した。マーケットセンチメントの後退に加え、万科企業(200002)などの地場系不動産デベロッパーが相次いで保障型住宅開発計画に参入するとのニュースを受け、競争激化への警戒感が高まったことが理由。ただ、BOCIはこのニュースに対するマーケットの過剰反応を指摘。従来型デベロッパーと中国建築国際のターゲット市場は異なると指摘し、真正面から競争に直面することは考えにくいとした。また、保障型住宅計画は賃貸物件の割合が高く、分譲用物件は全体のわずか15%程度にとどまる点も直接的な競争に発展しない理由に挙げ、同社株価の先行きに対し、引き続き強気の見方を維持している。