最大顧客CNOOCが設備投資予算を大幅増額、経営環境が一段と向上へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02883 中海油田服務股フン有限公司(チャイナオイルフィールド) 15.9 HKD
(01/31現在)
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石油会社の設備投資予算の拡大を背景に、中海油田服務の経営環境が今年一段と上向く見通しとなった。バークレイズ・キャピタルの調査によれば、今年は石油各社の総設備投資額が前年比10.8%の伸びを示す見込み。また、中海油田服務の売上全体の約6割を占める最大の取引先であるCNOOC(00883)は、今年の設備投資予算を前年比55%増の87億7000万米ドルとする方針を明らかにした。具体的には探査予算を前年の10億8000万米ドルから15億6000万米ドルに、開発予算を前年の29億3000万米ドルから50億5000万米ドルに増額する計画を示している。

CNOOCは今年、深海油田2-3カ所の掘削を行う計画だが、中海油田服務がCNNOCの掘削作業から受ける直接的な恩恵は限られる見込み。親会社・中国海洋石油総公司はすでに超深海リグを発注したが、その引き渡し時期が今年半ばとなることが理由だ。ただ、BOCIは深海作業に伴う物理分野や輸送分野などの支援サービスが、中海油田服務のビジネス拡大につながる見通しを示している。

一方、中海油田服務は今年、前年を32%下回る47億2000万元の設備投資を計画しており、ハイエンド設備の建造に照準を合わせる方針という。年内に引き渡しが予定される主要設備は、200フィート型ジャッキアップ・リグ2基、2500フィート型セミサブマーシブル・リグ(半潜水)リグ1基、ストリーマ式地震探査船など。

同社はまた、重質かつ高粘度の中国オフショア原油の生産量を引き上げるため、技術開発にも力を入れる方針。具体的には水蒸気圧入や酸性化がこれに含まれる。さらに同社はオフショア・プロジェクトの一部を成すオンショア油田に用いられるフラクチャー技術の導入を計画している(低透水性油田の回復を促すための技術)。

BOCIはこのほど、同社の2010-11年の予想コアEPSを3-5%下方修正する半面、2011年の予想EPSを26%上方修正した。10-11年のコアEPSの下方修正は、昨年引き渡しが行われた200フィート型ジャッキアップ・リグ2基、2500フィート型セミサブリグ1基の収益貢献がそれぞれ今年初め、今年半ばにずれ込む見通しとなったため。一方、2011年の予想EPSの上方修正は、同社社債から発生する為替差益(未実現)が14億元に上るとの見通しが理由。BOCIのエコノミストは年内の人民元相場の上昇率を約5.5%と予測している(人民元上昇率に関する想定値はこれまでゼロだった)。

BOCIは、同業銘柄のバリュエーション上昇を受け、同社目標株価の算出基準を2011年予想PER12.9倍(予想コアEPSに基づく)から同18.3倍に修正。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気の見方を継続した。なお、同社は最大5億株のA株の新株発行を伴う増資で70億元を調達する方針で、昨年9月に中国証券監督管理委員会(CSRC)に申請済み。BOCIは増資に伴う短期的な需給悪化の可能性を指摘している。