10年生産量は前年比約44%増、PAE権益の追加取得で今後も生産拡大持続へ
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00883 | 中国海洋石油(CNOOC) |
18.62 HKD (01/28現在) |
株価 企業情報 チャート |
BOCIはこのほど、CNOOCの2011-12年の利益見通しを14-29%上方修正した。国際原油相場に関する想定値の引き上げが一因だが、それ以上に同社経営陣の示した数字を反映させる形で、2011-12年の原油・ガス生産量に関する予想値を3-13%引き上げたことが主因。これに伴い目標株価を引き上げ、同社株価の先行きに対する強気の見方を継続した。
CNOOC経営陣は、これまで「3億1900万-3億2900万BOE(石油換算バレル)」としていた2010年12月通期の原油・ガス生産量推定値を「3億2700万-3億2900万BOE」に絞り込んだ。新たな推定レンジはBOCI予想を3%上回る水準となる。
また、同社経営陣によれば、2011年の原油・ガス生産量は3億5500万-3億6500万BOEに達する見込み(前年推定値比で8-12%増)。同社は近く、石油大手BPからアルゼンチンの石油大手パン・アメリカン・エナジー(PAE)の権益30%を追加取得する運びとなっており、この要因が生産量を押し上げる見通しという。さらに年内の稼働開始を予定している中国オフショアの新規プロジェクト4件も、生産拡大に寄与する見込みとなった。
同社は2011年に87億7000万米ドル(前年比55%増)の設備投資を計画しており、うち探査費用については2010年の10億8000万米ドルから11年には15億6000万米ドルに拡大させる方針。また、開発費用は29億3000万米ドルから50億5000万米ドルに大きく積み増す計画で、開発費の中では深海ガス田「茘湾(Liwan)3-1」への投資が大きな部分を占めるという。同ガス田では2013年に天然ガス産出が始まる見通しとなっている。
経営陣は長期(2011-15年)の生産量伸び率に関する目標値を年率6-10%に設定した。ただ、2010年の生産量は前年実績の2億7500万BOEから、少なくとも3億2700万BOEへ44%拡大する見通しであり、BOCIは同社の伸び率目標が2010年の高い実績をベースとする点に言及している。なお、同社の生産量全体に占める海外油田およびガス田の割合は、2015年までに30%以上に達する見通しという(2010年はおよそ20%)。
一方、同社はこのほど、今後の買収に向け、長期社債の発行を通じて20億米ドルを調達した。なお、BOCIは同社のリスク要因として、原油相場の急落と悪天候が生産に影響する可能性を指摘している。