川上事業強化は長期的にプラス、短期的には石炭コスト増大リスクが持続
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00902 | 華能国際電力(ホアネン・パワー) |
4.28 HKD (01/20現在) |
株価 企業情報 チャート |
華能国際電力は昨年12月1日、船舶事業に従事する上海時代航運有限公司(Time Shipping)の権益50%を親会社から取得する計画を発表。さらに同月13日には蘇州港石炭ふ頭プロジェクト(権益保有比率66%)の建設計画を明らかにするなど、川上のバリューチェーン構築に向けた動きを見せている。東部地域の発電施設向けに石炭供給を確保することが目的で、長期的にはこうした動きが石炭調達費の増大リスクを軽減させる見通しだ。ただ、石炭価格が上昇する中、BOCIは短期的にはコスト増大リスクの軽減は難しいとの見方。現在株価が2011年予想ROE(株主資本利益率)8.8%と、ほぼ適正水準にあると指摘し、割引キャッシュフローモデルに基づく従来の目標株価を維持した。また、同社株価の先行きに対して、中立的な見方を継続している。
同社の火力発電容量は今年、権益持ち分換算で5万787メガワット(MW)に達する見込み。他に水力、風力発電容量がそれぞれ1316MW、910MWに達する見通しとなった。BOCIによれば、同社現在株価の11年予想PBR(株価純資産倍率)は0.9倍。同業平均を5%ほど下回る水準を示している。
一方、同社のリスク要因としては、石炭生産者が2011度分の発電用炭契約価格を遵守せず、一部値上げを行う可能性が指摘されている。石炭スポット価格が上昇する中、契約価格がほぼ前年並みに据え置かれたためで、仮に契約価格の引き上げが行われた場合、石炭コスト全般が膨らむ可能性が出ている。