人民元自由化に関するニュースが支援材料、10年利益の上乗せ効果は限定的
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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02388 | 中銀香港(控股)(バンク・オブ・チャイナ香港) |
27.70 HKD (01/19現在) |
株価 企業情報 チャート |
人民元の取引自由化やオフショア人民元取引センターとしての香港の発展に関するニュースが最近相次いで伝わり、中銀香港にとってのプラス材料となっている。BOCIによれば、こうした情報の流入を受け、同行に対する投資家の注目が続く可能性が高い。ただ、実際には人民元の自由化が実現するまでの道のりは長く、同行の2010年度経常利益の押し上げ効果は限られる見込み。BOCIは短期的に中銀香港のレンジ取引が続くと予測しながらも、2010年決算の発表後にはリスク・リワード比率が上向くとみている。
オフショア人民元業務の発展は同行に有利。香港金融管理局(事実上の中央銀行)の予測によると、香港における人民元預金残高は昨年12月末に約3000億元 に達し、11月末の2800億元からさらに増加した。また、親会社である中国銀行(03988)はこのほど米国で人民元業務を開始したが、香港経由で決済を行うのに伴い、中銀香港にもその恩恵が及ぶ見通しとなった。
BOCIが設定した2010年12月通期の予想EPSは、市場コンセンサスを1%下回る水準。人民元の自由化には長期間を要するため、同年の経常利益が予想を大幅に上回る可能性は低いという。一方、同行のリスク要因としては、香港および中国経済の急激な減速と人民元自由化の後退を指摘している。
BOCIはゴードン・モデル(内部留保の再投資の将来利益を配当の増加要因として、内部留保率を考慮した株価算定法)に基づき、同行の長期成長想定値を4.0%から4.5%に上方修正。これに伴い目標株価を引き上げ、長期的な同行株価の先行きに対して強気の見方を継続している。