政府当局がネットサービスの新規定草案を発表、政策リスクが拡大
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00700 | 騰訊控股(トウジンコウコ) |
201 HKD (01/17現在) |
株価 企業情報 チャート |
中国の工業・情報化部は14日、「インターネット情報サービス市場の秩序監督管理に関する暫定方法」と題した新規定の草案を発表した。BOCIはこの新たな規定が騰訊控股をはじめとするネット大手各社の地位に影響するとともに、営業コストの増大につながる可能性を指摘。さらに政策リスクの高まりに言及し、同社株価の先行きに対して慎重見通しを継続した。
この草案については、2月14日まで各界からの意見聴取が行われる運び。ただ、先ごろ無料セキュリティーソフトをめぐって騰訊控股と北京奇虎科技との対立が激化した経緯などから、ネットユーザーは新規定を歓迎しているもよう。この草案の内容は主に以下の通りとなっている。
◇ソフトウェア同士、あるいはサービスとソフトなどとの抱き合わせ利用に当たっては事前に明確にユーザーに通知し、選択の余地を与えなければならない。
◇画面上に出現するポップアップなど広告ウィンドウに関しては「閉じる」「最小化する」などの選択肢を設けなければならず、閉じた後のウィンドウの再出現やソフトの通常利用の妨害を行ってはならない
◇他社の製品・サービスに関する情報のねつ造や正当な理由を欠いた非互換化、さらに他社サービスに対する妨害などを不当行為とみなす――など。
BOCIはこの規定が情報サービスプロバイダーの日常業務に様々な影響を及ぼすとし、ネット業界のビジネス活動が大きく変化する可能性を指摘している。現在は特定分野で独占的シェアを持つ最大手が資金力、営業力を武器に小規模事業者を蹴散らすことも可能だが、新規定の成立後には小規模事業者や革新的な事業者に生き残りや台頭への道が開ける見通しという。ただ、1カ月にわたる公聴期間に様々な意見が噴出するとみられ、BOCIはこの点で新規定をめぐる不透明感に言及している。
また、これまでの通信サービス規定は、もともとサービスの質の面で厳格な基準を持っていた通信サービスプロバイダーを対象としたものであり、「通信会社向け付加価値サービス事業者」との位置付けだったネット情報プロバイダーはサービスレベルの面で明らかに劣っていた。ただ、新規定の施行を受け、通信業界のサービスレベルに合わせる必要が生じた場合、ネット事業者は様々な運営プロセスや品質保証体制、サポート体制を見直さなければならず、これがコスト増につながる可能性が指摘されている。
さらに、ポップアップ広告に関する規制は広告収入に影響する見込み。BOCIはポップアップ広告がこれまで、広告主の獲得においてバナー広告などを上回る訴求力を持っていた点を指摘。ネット事業者が広告料金を調整しない限り、新たな規制が広告部門の利幅を圧迫する可能性があるとみている。