中期的は120円、長期的には100割れも?

ポンド円週足チャート (2010年 ~ 2016年)

2000年以降のポンド円の最高値は、リーマンショック前の251.07円(2007年7月20日)。
2000年以降のポンド円の最安値は、116.81円(2011年7月11日)。当時のドル円は76.10円。
2011年以降のポンド円の最高値は、195.91円(2015年6月24日)。当時のドル円は124.38円。
 

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リーマンショック以降のポンド円は、ポンドドルよりも、ドル円の影響を強く受けています。
ポンド円が116.81円まで下がった時のドル円レートは、円の史上最高値に迫る76.10円、その後195.91円まで戻った時は、日銀の円安政策のおかげで124円台まで円安になった時と一致します。

今回の英EU離脱は、ポンド暴落という引き金を引いただけではなく、安全資産への逃避という名目の円高も誘発しました。ドル円で円高、ポンドドルでポンド安が同時に起こっています。

英EU離脱の影響は、スイスショックのような一過性のものではなく、今後長期間にわたって影響が広がることは十分考えられます。したがって、リーマンショックの時と同じかそれ以上のポンド安/円高のリスクがあるでしょう。

リーマンショックの時は、約1年半でポンド円は53%以上ポンド安/円高になりました。ポンド円が長期的に100円を割る可能性も排除できません。

ブリグジットが世界の金融政策に与える影響予想

1. ポンドは1.20ドルまで下落する可能性。
2. BOEは年内に50ベーシスの利下げ。
3. 米9月利上げなし。FRBは今後6ヵ月で英EU離脱の影響を判断したうえで12月の余地を残す。
4. ECBは緩和スタンスを強める可能性。英EU離脱の影響によっては2017年3月以降もQEを延長。