ドル円レビュー(1月25日 - 29日)
日銀マイナス金利導入で121円台後半まで円安進む
25日(月)
米ドル/円は、先週末118.765円まで一気に円安が進んだ後の調整で118円台前半まで値を下げました。しかし、金曜日の日銀会合に対する期待は強く、高値圏を維持。終値は前日比0.448円安の118.173円。
26日(火)
昨日の原油安、株安の流れを引き継ぎ、再びリスクセンチメントが悪化した東京市場は、クロス円の売りが強まり、ドル円も117.65円まで下落。日経平均終値は402円安、上海総合指数は約1年2ヵ月ぶりの安値引け、原油価格も30ドル割れとなって一段の円高も不可避と思われました。
しかし、原油価格が安値から切り返すと、米ドル/円も急速に値を戻し118.61円まで買い戻される展開に。終値は前日比0.104円高の118.424円。
27日(水)
FOMCは、予想通りFFレートの誘導目標を0.25-0.50%に据え置きを決定。声明文では、労働市場の改善に自信を示す一方で、「昨年末の経済成長の鈍化とインフレ低下」を認識、「世界の経済と金融の情勢を注視」するとしました。
経済見通しのリスクについて「バランスが取れている」との文言が削除されたことは、FOMC委員の懸念が深まっていることを示唆しています。3月利上げがメインシナリオとしても、今後のデータ次第では見送りの可能性が高まりました。
米ドル/円はFOMC終了直後に119.056円まで上昇。しかしすぐに売りに押し戻され、118.651円で引けました。
28日(木)
この日の米ドル/円は、FOMCと日銀会合の狭間で動意に乏しい1日。追加緩和期待で高値圏を維持しましたが、118円台後半からは売りに阻まれて高値は118.99円まで。FOMC直後に寸前まで迫った1月6日の高値119.15円は昨日もクリアできませんでした。終値は前日比0.151円高の18.802円。
29日(金)
日銀が、追加緩和策としてマイナス金利の導入を決定すると、米ドル/円は118円台から一気に121円前半まで上昇。日経平均の上げ幅も一時500円を超えました。市場のリスクセンチメントが改善したことで、上海総合指数や欧米株価も軒並み上昇。米ドル/円の買いは海外時間も衰えず、NY時間には121.69円まで値を伸ばし、前日比+2.30円の121.102円で引けました。
ドル円の注目チャートポイントは?
2週間前の金曜日、ドル円が日足チャートで、昨年12月18日の日銀会合以来抵抗ラインとなっていた21日移動平均線を上抜けたことが、相場転換のシグナルとなりました。
先週金曜日の日銀会合後に、ドル円は一時、121.45付近に位置する200日移動平均線を越えました。ドル高/円安の勢いが強まっていることを示しています。この200日移動平均線を完全に上抜けするのか、あるいは抵抗ラインとなって押し戻されるのかが、次の注目ポイントになるでしょう。
ドル円PIVOT=120.40 RES1=122.41 SUP1=119.11
ピボットとは、前日の値動きをもとに、今日のサポートやレジスタンスを計算するテクニカル指標です。海外では多くのトレーダーがデイトレードのエントリーやエグジットレベルとして活用しています。