クイズの正解:現預金が半分、株式が14%
【1】は【B】、【2】は【A】です。
正解を当てはめると、2024年3月末時点の日本の家計のアセット・アロケーションは以下の通りです。
<日本の家計の金融資産:2024年3月末時点>
現預金が1,118兆円(50.9%)もあるのが驚きです。日本の家計はほとんどリスクを取る運用をしていないことが分かります。
日本でデフレが続いていた時代ならば、このポートフォリオでも問題ありません。物価が上がらない時代は、現金・預金を持っていても、インフレで目減りすることがないからです。
ただし、これからの時代は、現預金の持ち過ぎは不利と思います。日本にもインフレが復活すると考えているからです。現預金の利息では、インフレによる目減りをカバーできないと予想しています。
資産形成のためのアセット・アロケーションでは、リスク取り過ぎも、取らな過ぎも問題です。適切なリスクを取っていくことが、長期的な資産形成に必要と考えています。
個人個人によって、リスク許容度が異なるので、どういうアセット・アロケーションが良いか一概には言えませんが、参考になるのが、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用方針です。GPIFは、日本最大、かつ世界でも最大の公的年金で、運用資産254兆7,027億円を保有します(2024年6月末時点)。
そのGPIFの現在の基本ポートフォリオは、以下の通りです。
<GPIF運用の基本ポートフォリオ(2024年9月時点)>
GPIFは、過去約23年で合計162.8兆円もの運用益を獲得しています。とは言っても、決して特殊な運用をしてきたわけではありません。短期トレーディングで収益を稼いだわけでも、株価が倍になる成長株に集中投資して当てたわけでもありません。ごく当たり前の長期・国際分散投資をやることで、運用資金を増やしてきました。
私たちも、まねしようと思えば、簡単にまねることができます。老後の準備として、運用で資産を増やすことを目指す私たちにとって、参考になるものです。
GPIFを応用したアセット・アロケーション
皆さまが資産形成するためのアセット・アロケーションとして、GPIF型をそのまま使っても良いですが、個人の事情に合わせて、以下のように修正しても良いと思います。
<GPIF基本ポートフォリオを応用したさまざまなアセット・アロケーション>
GPIFの基本ポートフォリオを、タタキ台として、皆さまにふさわしいアセット・アロケーションを工夫してください。