事業のグローバル化が強み、国内工業セクターで競争優位際立つ

現地コード 銘柄名
01882

海天国際

(ハイティエン・インターナショナル)

株価 情報種類

20.40HKD
(9/11現在)

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 中国の射出成形機大手、海天国際の株価は業界全体の需要見通しの後退を背景に、短期的な調整局面にある。ただ、BOCIは世界的に事業を拡大している同社は際立った存在であり、同業銘柄をアウトパフォームしていると指摘。さらに、米ドル建て金利が下降サイクルに入れば、世界需要も回復に向かうとみて、同社のような海外事業比率が高い企業が勝ち組となる見通しを示した。同社の海外売り上げ比率は現在の30%強から、中期的には40%、長期的には50%に上向き、国内需要に関する不透明感を相殺するとの見方。中国工業セクターにおける主要推奨銘柄であるとし、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 同業銘柄の多くが中国という単一市場に依存する中、地理的多様性の高さが海天国際の強み。国内市場の先行きが不透明な状況下では、競合他社を大きく上回る業績が期待できる。同社はセルビア、インド、メキシコ、日本、マレーシアの5カ国に、それぞれグローバル生産拠点を設けるという戦略を明確にしている。

 うち2023年4月に着工したセルビアの新工場は、2025年に操業を開始する予定。同社にとっては、これが最大の海外生産拠点となる。インドではチェンナイに第2工場を建設中。2024年中に稼働を開始し、グジャラートの第1工場と連携させる。また、東アジアでの製造能力の強化を目指し、日本には第2工場を建設中。マレーシアで計画している新工場は、東南アジア市場をカバーする拠点となる。

 この五つのグローバル製造拠点に加え、トルコとインドネシアにはそれぞれサービスセンターを創設する計画。欧州と東南アジアの顧客向けに、ショールーム、アプリケーションサービス、ビフォア・アフターの両サービスを提供するという。

 一方、この先、米国が利下げサイクルに入れば、世界需要は回復に転じる見込み。BOCIは同社の売上高全体に占める海外の割合が、現在の30%から、いずれは50%に上昇すると予想。これが同社の競争優位につながるとしている。

 中国国内市場の不確実性が続く中、BOCIは工業セクターにおける卓越した存在として同社を高く評価。同業銘柄の多くが単一市場への依存リスクに直面する中、同社は地域的な多様化を推進しているとした。利益見通しと目標株価を据え置いた上で、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、国内市場を取り巻く不確実性を挙げている。