正解:バランスが取れたB

 正解はBです。GPIFの運用資産は現在、以下の通りとなっています。

<GPIF運用の基本ポートフォリオと、実際の資産構成(2023年12月末時点)>

出所:GPIF
注:資産構成割合は2020年4月1日に見直したもの。

 GPIFは、決して特殊な運用をしてきたわけではありません。短期トレーディングで収益を稼いだわけでも、株価が倍になる成長株に集中投資して当てたわけでもありません。ごく当たり前の長期・国際分散投資をすることで、運用資金を増やしてきました。

 私たちも、まねしようと思えば、簡単にまねができます。老後の準備として、運用で資産を増やすことを目指す私たちにとって、参考になるものです。

 GPIFは、基本となる資産構成割合を定め、それに従って、分散投資を行っています。

 現在の基本ポートフォリオ(中心)は、外国株式25%、国内株式25%、外国債券25%、国内債券25%です。株(外国株+国内株)半分・債券(外債+国内債)半分と、とてもよくバランスの取れたポートフォリオだと思います。国内投資(国内株+国内債券)半分・海外投資(外国株+外債)半分というのも、良いバランスだと思います。

 GPIFの基本ポートフォリオは2014年10月までは、国内債券の割合が60%と高かったのですが、国内債券の利回り低下を受けて、比率をまず35%に引き下げました。その後、2020年4月に現在と同じ25%まで下げました。

 個人投資家は、必ずしも国内債券に投資する必要はないと思います。長期(10年)国債の利回りが1%くらいしかなくて、国内債券では運用利回りが得られないからです。国内債券には投資せず、その分は、安全資産として銀行預金に入れておけば良いと思います。

 あるいは、個人向け国債(10年変動金利、あるいは5年固定金利、3年固定金利)に入れておくのでも良いと思います。

GPIF型を応用したアセット・アロケーション

 皆さまが資産形成するためのアセット・アロケーションとして、GPIF型をそのまま使っても良いですが、個人の事情に合わせて、以下のように修正しても良いと思います。

<GPIF基本ポートフォリオを応用したさまざまなアセット・アロケーション>

出所:筆者作成

 GPIFの基本ポートフォリオを、タタキ台として、皆さまにふさわしいアセット・アロケーションを工夫してください。