日本でもインフレに負けない資産運用が必要に

 日本では長年、世の中の物価が継続して下落するデフレーションに悩み続けてきましたが変化の兆しが見られます。コロナ禍以降、日本のCPI(消費者物価指数)は上昇し、足元でも高止まりが続いている状況です(図1)。

 円安の影響で海外から輸入している物の値段も上がっています。資産は貯金するだけでなく増やしていくことの必要性が以前より増してきました。つまり、物価上昇に打ち克つ資産運用が必要になってきたのです。

(注)消費者物価指数全国総合の前年同月比上昇率。期間は2018年12月末から2023年10月末までの5年間、月次。(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成

 物価が急上昇した米国では物価上昇を抑え込もうと早いペースで政策金利を引き上げ、米国の10年国債利回りは急上昇しました。一方、日本の10年国債利回りも上昇しているものの、過去の水準と比較してもいまだ低い水準で推移しています(図2)。

 近いうちに日本銀行がマイナス金利を解除するとの観測も出ていますが、米国の金利上昇が一服している中では、日本の金利も急激には上がりにくい状況が続きそうです。このような環境下では、引き続き日本株に投資妙味があると考えられます。

(注)期間は2004年12月末から2023年11月末までの20年間、月次。
(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成

 日本株の中でも「高配当株」への投資は魅力があると考えられます。国債金利よりも利回りが高く、他の特性を持つ株式よりも比較的安定した収益を得やすいためです。

 また、「世界で活躍する大型株」にも投資妙味があるでしょう。日本株の上昇要因はさまざまですが、1つに海外投資家による買いが挙げられます。海外投資家が日本株に投資する際、まずは世界的に知名度が高い日本企業から投資することが多く、このような大型株が選ばれやすい可能性があります。

投資商品(個別株、投資信託、ETF)は何がいい?

 株式への投資方法には個別株と投資信託、ETF(上場投資信託)の大きく3つがあります(図3)。個別株はおのおの魅力的な利回りや成長可能性があるものの、膨大な銘柄の中から企業の配当持続性や成長性などを見極めて投資する必要があります。

 また、銘柄の見直しおよび入れ替えの手間や、入れ替えのたびに損益が発生してしまう点があります。対して、投資信託とETFは1度の取引で複数銘柄に投資するため、個別銘柄特有のリスクや銘柄の見直し・入れ替えなど、管理する手間を抑えた投資が可能です。

 中でもETFは、信託報酬に販売会社分を含まないため一般的に投資信託よりも低コストです。そのため長期投資にも適しています。

 また、一般的な高配当の投資信託は場合によって純資産(元本)を取り崩して分配金を出すケースがありますが、ETFは仕組み上、投資先の個別株から得た配当を定期的に分配する仕組みです。

 つまり、ETFは特別分配金がないため、組入銘柄の配当成果を受け取るにはETFが適していると考えられます。最終的にはご自身の投資スタイルやリスク許容度に応じて選択するのがよいでしょう。

※代表的な例を記載しており、すべてを網羅しているわけではありません。
(出所)Global X Japan

日本株の投資アイデア~高配当株、世界で活躍する大型株~

 グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF【2564】は、配当利回りの高い日本の25銘柄に投資するETFです。株価が大きく低下していたり、配当金が一時的に増加している銘柄を除くことで、見かけ上配当利回りが高い銘柄を回避します。また、業種ごとに組入銘柄数の上限を設けることで、業種を代表する高配当銘柄に投資します。

 インデックスに連動する日本株の高配当ETFはそれぞれ特徴が異なります(図4)。縦軸は分配金利回り、横軸は加重平均した構成銘柄の時価総額を示しています。

(注)日本の高配当株式を投資対象とする東証上場のインデックスETF全9本(銘柄コード:1399, 1494, 1478, 1489, 1577, 1651, 1698, 2564, 2849)とTOPIXに連動するETFで純資産残高が最大のETF(銘柄コード:1306)。構成銘柄の時価総額(加重平均)には先物や現金同等物等は含んでいない。
(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成、2023年12月1日時点

 当ETFはTOPIX(東証株価指数)連動ETFをはじめ、他の日本の高配当株式を投資対象とするETFと比較して、一番上に位置しており、高い分配金利回りとなっています。

 また、構成銘柄の加重平均時価総額では、左側に位置しており、相対的にサイズが小さいポートフォリオです。このように当ETFは他のETFと特徴が異なるため、より高い利回りを目指す方や、既に高配当ETFに投資されている方でも、分散投資に活用できます。

 グローバルX グローバルリーダーズ-日本株式 ETF【2641】は、グローバルにビジネスを展開する日本企業に投資します。海外売上高比率および海外顧客比率の高い企業を選定し、時価総額加重をベースに組入れます。

 定期的な銘柄入れ替えによって、常に世界市場で高い存在感を放つ日本企業に投資可能です。直近の組入上位銘柄は、トヨタ自動車やソニーグループ、任天堂など、グローバル市場でトップクラスのシェアを誇る日本企業となっています(2023年11月末時点)。

 競争力の高い収益・財務基盤を有している企業で構成される当ETFの対象株価指数(FactSet Japan Global Leaders Index(配当込み))は、他の国内の株式指数を大きく上回っています(図5)。

 また、外国の株式指数と比較しても堅調なパフォーマンスです(図6)。高いパフォーマンスながら外国株式指数とは値動きが異なり相関が低いため、日本株を代表する投資先として分散投資に活用できます。

※過去のパフォーマンスから算出したものであり、将来の成果を保証するものではありません。
(注)FactSet Japan Global Leaders Indexの算出開始日は2021年5月7日。算出開始日以前の指数に関する情報は全て指数算出会社がバックテストしたデータ。期間は2016年1月29日から2023年12月11日。起点を100として指数化(配当込み)。(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成
※過去のパフォーマンスから算出したものであり、将来の成果を保証するものではありません。
(注)全米株式指数はCRSP US Total Market Indexを使用。期間は比較可能な最長期間の2016年1月29日から2023年12月11日。起点を100として指数化(配当込み、円建て)。
(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成

 

 2本のETFは新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)の成長投資枠の対象銘柄です。将来の株価上昇が期待される場合、一般的に一括投資が有効です。ただ、一度に投資する資金がない、また、タイミングが難しく時間分散でリスク軽減を図りたい場合に「積立投資」を活用しても良いでしょう。

 ETFの詳細について以下の動画で解説していますのでぜひご覧ください。

グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF【2564】

 

グローバルX グローバルリーダーズ-日本株式 ETF【2641】