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銘柄名 バリュークリエーション
銘柄コード 9238
上場市場 東証グロース

1.経営方針 

「従業員満足度と顧客満足度を高めて日本と世界をより良くする会社を創る」を企業理念として掲げ、多角的なソリューション提案を行いクライアントの「企業価値と利益を最大化すること」を達成し、企業価値の最大化を目指します。

 マーケティング専門会社として創業した当社はその時々で最適なWebマーケティング、プロモーションの手法を用いてクライアント企業にサービス提供をしてまいりました。また、主軸であるマーケティングDX事業で積み重ねた実績を基に、クライアントとユーザー、双方にとって役立つようなメディアの構築を目指し、2020年7月より「解体の窓口」サービスを開始いたしました。

 当社の事業展開方針としては、マーケティングDX事業の持続的な成長、不動産DX事業の更なる展開をはじめ、新たなDX領域におけるメディアの展開を目指しております。

2.事業の内容

 当社は、マーケティングDX事業で個社別の集客に関する課題を解消、業界の集客課題の特定を行い、解消のための集客ノウハウを蓄積させております。

 マーケティングで培ったノウハウや課題意識を活かし、不動産DX事業において解体の窓口を運営しております。売上高は2023年2月期でマーケティングDX事業2,747百万円、不動産DX事業76百万円の規模となっています。

 事業の概要

 顧客のWeb領域における課題を総合的に解決するマーケティングDX事業と不動産領域における課題を総合的に解決する不動産DX事業を営んでおります。なお、当社の事業セグメントにつきましては、「マーケティングDX事業」「不動産DX事業」に区分しております。マーケティングDX事業においては特にレガシー業界(注)に対してのマーケティングDX支援を行っていることと、マーケティングDX事業での集客ノウハウを活かしたマッチングプラットフォーム事業である不動産DX事業を展開することで2023年2月期において売上総利益率31%を実現しています。

(注)総務省(2021)「デジタル・トランスフォーメーションによる経済へのインパクトに関する調査研究」より2020年時点でDXに取り組みがない企業数が全体の75%以上の業界を取り組みが遅れている業界(=レガシー業界)として定義

(1)マーケティングDX事業

 運用型広告(注)1.を中心とするプロモーション手法を通じ、顧客のWebサイトへの集客を適切に行うための課題抽出、戦略立案から広告の運用までを一貫して実施しており、広告の出稿量に比例した報酬を得ております。顧客のマーケティング戦略に応じて複数種類の広告手法・プラットフォームを柔軟に組み合わせ、プロモーションを設計・運用しております。

 当社が具体的に提供しているものとしては、主に検索連動型広告(注)2、ディスプレイ広告(注)3、インフィード広告(注)4.等の運用型広告になります。運用型広告は、広告運用者が広告を配信するための設定を行い、ほぼリアルタイムに広告配信結果を確認、設定の改善をしていくため、運用者によって広告効果に大きな違いが出ることが特徴です。当社では2008年の創業から現在まで、多種多様なクライアントへのサービスを継続してきたことで業界や業種特有の課題を識別、情報を蓄積することでサービス品質を高めることが可能となっております。結果、顧客との良好なリレーションを構築することができ、取引継続率(※)は約97%を保持しております。

 また、運用している広告のレポートを自動で生成するVastaを展開し提供しています。 

 Meta広告の配信結果レポート(広告費、クリック数、獲得数など)をワンクリックで生成可能となっており、広告の分析をすばやく提供できるため顧客の満足度に繋がっています。

 当社では、規模は大きいですがDX化に遅れており、これからDX化に取り組む業界やセクターであるレガシー業界をマーケティング支援の対象としております。その市場では既存の商習慣や伝統などによりDXに取り組むことが遅くなった市場として支援可能領域は大きいと考えています。経営の課題抽出から戦略の立案、広告の実施までを一貫して提案する当社の強みが発揮できる市場となっています。

※取引継続率:前月から当月に継続した社数と過去取引があった先で当月取引を再開した社数を分子、前月の取引社数を分母として算出(約97%は2022年3月から2023年2月までの月平均継続率)

 また、「人生に役立つ」情報を網羅する自社サイト「Mola」を運営しています。Molaでは、ビジネス、デジタル、お金、恋愛、旅行、グルメ、スポーツ・レジャー、エンタメ、ヘルスケア、ビューティ、暮らし、ファッションの12カテゴリに関して、人生に役立つ情報を網羅(モーラ)し、Molaの記事を通じて、より多くの人の人生が豊かになることを目指しています。

(注)

  1. 運用型広告とは、インターネットのユーザーに対し、リアルタイムに入札額やクリエイティブ、ターゲット等を変更・改善しながら配信する広告を指します。
  2. 検索連動型広告とは、ヤフー株式会社やGoogleLLC等が提供する検索エンジンの検索結果に表示される広告を指します。 
  3. ディスプレイ広告とは、Webサイトの広告枠に表示される画像広告、動画広告、テキスト広告を指します。
  4. インフィード広告とは、Webサイトやアプリのコンテンツとコンテンツの間に表示される体裁の広告を指します。

(2)不動産DX事業

 DXで解体業界に新たな価値を届けるべく「解体の窓口」を運営しています。

「解体の窓口」という自社メディアは、業者との直接のやりとりが不要、見積もり比較から解体後の土地の売却まで、すべてオンラインで完結できるサイトです。具体的には所有する物件を解体したいと考えているユーザーと、ユーザーを探している解体業者をマッチングさせ、物件情報と写真をもとに、全国の約1,500社(2023年9月時点)の解体業者の中から解体費用の見積もり入札が届く、「逆オークション」を採用しております。通常のオークションではオークションが進むにつれて値段が上がっていきますが、解体業者が他社より安値で見積もりを提示する仕組みである点が通常のオークションと異なります。2023年9月時点でマッチング希望者数が20,000人を突破し、サービス開始から順調に推移しております。

 保有している不動産を建て替えたり売却したりする前には、ほとんどの場合において建物を解体する必要があるため、解体業者を探すことになります。業者を通して解体業者を探そうとすると仲介費用等が発生するなど時間と費用がかかります。またユーザーに解体に関する知識がないことなどから、どの解体業者を選択すべきかの判断が困難であり、トラブルの発生要因ともなっております。

 当該課題に対し解体の窓口を利用することで複数業者と個別の電話対応をしなくて済み、同条件で競われた見積もりと最安値を手間なくオンラインで入手することが可能となります。さらに当社のコンシェルジュが物件情報の詳細伝達をユーザーより聞き取ったり、現地調査日時の調整を解体業者と図ったり、ユーザーに対して決断に必要な情報提供をするなどユーザーと解体業者の間に入って対応を進めることで、解体の知識がないユーザーでも安心してサービス利用ができ、解体業者は顧客とのやり取りに関するリソースを有効活用できる仕組みとなっています。

 ユーザーに対して紹介する解体業者については事前に社内において解体工事業の登録や建設業許可を受けていること及び反社会的勢力であるかのチェックや行政処分歴を確認した上で取引上問題ないと判断された業者のみユーザーにご紹介できる仕組みとしています。

 また不動産情報や建て替え情報の紹介ニーズに対して提携している不動産仲介や売買会社、駐車場会社などに紹介をし、手数料を受領する事業も展開しており、提携不動産会社は約700社(2023年9月時点)となっています。

 また、デジタルマーケティングの磨き込みとオペレーショナル・エクセレンス(※)の構築、さらに、1人の集客に対しクロスセルできるモデルを構築することで従来のマッチングプラットフォームと比較し複数のキャッシュポイントを実現しております。

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