※本記事の情報は現行NISAに関するものです。
【2024年からの新NISA制度について、詳しい説明はこちら

せっかくの非課税制度、ちゃんと活用されている?

 NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)とは、毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から得られる利益が非課税になる制度のことです。

 そのうち、「つみたてNISA」はその名の通り、少ない金額を投資して積み立てる資産形成を前提としているため、年間40万円の非課税枠を20年という長期間にわたって利用できる点が特徴です。少額から始められ、対象商品は長期投資と相性のよい投資信託に限定されているので、投資初心者の方にもおすすめの制度です。

 では、そのつみたてNISAを利用している人は、どんな商品で、どんな資産運用をしているのでしょうか。今回は、「みんなの投資ランキング」つみたてNISA版の最新データをご紹介します(2022年12月末時点、楽天証券調べ)。

利用者は20~30代が6割超え!若い世代ほど資産形成を始めている

 まずは、男女比と年齢構成から見ていきましょう。

 楽天証券でつみたてNISA口座を開設している人は、男性と女性が約半数ずつという結果に。前回(2022年2月末時点)調査時は男女比が6:4だったため、女性の比率が徐々に増えてきていることがわかります。年代別に見ると、前回調査よりも20代の割合が増えた結果、20~30代が全体の62%を占めました。

楽天証券「つみたてNISA」口座顧客属性(2022年12月末)

出所:楽天証券 2022年12月期 決算説明会資料

 このように、年代別に見ると若年層が大部分を占めてはいますが、つみたてNISAは、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)のように年齢上限がなく、どの年代でも利用できる制度です。せっかくの非課税枠ですから、年齢に関係なく活用されることをおすすめします。

みんないくら積み立てている?

 続いて毎月の積み立て金額です。

 つみたてNISAの非課税枠は年間40万円です。これを12カ月で割った約3万3,000円が、毎月の積み立て上限額の目安になります。

毎月の積み立て設定金額(2022年12月末)

出所:楽天証券 2022年12月期 決算説明会資料
対象者:楽天証券つみたてNISA口座で積み立て設定をしているお客さま

 積み立て設定額の平均は前回調査から約1,000円上昇し、2万6,391円となりました。

 平均額が押し上げられた背景には、「3万円超」の方が増えたことが挙げられます。つみたてNISAは年間非課税枠の未使用分を翌年以降に繰り越すことができませんから、非課税枠を最大限に活用したいと思う方が増えるというのは、自然なことかもしれません。

 なお、積み立て金額は途中で変えることもできるので、まずは確実に続けられそうな金額から始めるとよいでしょう。

資産形成も「継続は力なり」

 つみたてNISAに限らず、積立投資を成功させるポイントは、無理のない金額でコツコツ続けることです。

 というのも、積立投資は、効果を実感できるようになるまでに3年から5年程度の時間がかかる場合があるからです(半年から1年などの短い投資期間の場合、積み立てよりも一括購入のほうが相場上昇時に結果が出やすくなります)。最初に金額設定で背伸びをすると、後々無理が生じ、積み立てそのもののモチベーションを維持することが難しくなります。

 まずは少額でも確実に続けられる金額で始めること。そして、日々の値動きに一喜一憂しない「鈍感力」を身につけることが大切です。

 ここまで見てきた通り、毎月の積み立て額は増え、継続率も伸びているつみたてNISAですが、冒頭でお話ししたように、全体では20代の利用者の増加が目立っています。

 実際に、2022年12月末の楽天証券におけるつみたてNISAの利用者数は昨年12月末の144万5,744人から217万9,543人へと約50%増加しています。2024年からの新NISA制度スタートで、今後さらにNISAでの資産形成への注目度が高まっていくことが想定されます。