*この記事は2022年8月24日、「みんなのマネ活」で公開された記事の転載となります。

 毎年会社で行われる年末調整は、1年間の税金額を精算する大切な手続きです。家族を養っている場合は、年末調整で扶養控除を申請すると税金の負担を下げることができます。ここでは年末調整と扶養控除における、適用の条件や申請方法について解説しています。

 また年末調整と関連の深い配偶者控除や配偶者特別控除についてもあわせて紹介しますので、共働きのご家庭はぜひ参考にしてみてください。

年末調整とは

 年末調整とは、その年に支払うべき所得税の金額を年の終わりに計算し、源泉徴収された所得税の過不足を精算する一連の手続きのことをいいます。給与所得者にとっての確定申告のようなものです。

 会社員やパート・アルバイトなどの給与所得者の所得税は、毎月会社が給与から天引きしています。これを源泉徴収といいます。

 しかし、この毎月天引きされる金額はおおよその見込み額で、正確な金額ではありません。所得税の金額は1年間の所得合計を元に決定するため、12月の給与とボーナスの額が決まらないと正確な税額が計算できないからです。

 年末調整では、見込み額であらかじめ徴収していた金額と12月に正しく計算し直した税額との差を比べ、過不足があれば還付や追加徴収を行います。

年末調整を忘れるとどうなる?

 年末調整を忘れてしまった場合は、扶養家族などの情報が反映されないまま税額を計算することになるので、所得税を余分に天引きされたままになってしまいます。

 そのまま何もしない限りお金が返ってくることはありません。

 会社は1月31日までに年末調整の書類を税務署に提出することになっています。もし会社で定められた提出期限を過ぎてしまっても、1月31日までなら会社での再計算に間に合う可能性はあります。

 それにも間に合わなかった場合は、確定申告をするしかありません。確定申告は例年原則2月16日から3月15日が申告期間とされています。ただし、払いすぎた税金を返してもらう「還付申告」にあたる場合は、5年以内であれば特に期間の定めなく申告をして還付金を受け取ることが可能です。

年末調整の対象にならない人とは?

 給与所得者であっても、一定の条件に当てはまる場合は会社での年末調整の対象にならない場合があります。

・給与収入が2,000万円を超えている人

 会社員であっても給与の額が2,000万円を超えている場合は、年末調整で所得税の精算をすることはできず、自身で確定申告をする必要があります。

・2カ所以上から給与を受け取っている人

 年末調整は1つの職場でしか行えません。そのため複数の会社から給与を受け取っている場合は、残りの職場から受け取る給与は年末調整をされないままとなります。

 このとき、年末調整を受けていない給与金額の合計が20万円を超えている場合は確定申告しなければなりません。

・年の途中で退職した人

 年の途中で会社を去ると、年末調整の機会がなくなります。

 年内に別の会社に再就職した場合は、転職先の会社で年末調整を受けられます。扶養控除も今までどおり適用することが可能です。

 一方、会社を辞めたあと転職せず起業するなど自営業になった場合は、年末調整をする機会がないままとなるので自身で確定申告を行う必要があります。

 扶養の種類、配偶者控除、扶養控除条件など、年末調整のルールやしくみをもっと詳しく見るにはこちらから!

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