2022年上期に赤字転落も新規受注は好調、原材料反落で下期以降に業績回復見通し
現地コード | 銘柄名 |
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01316 |
耐世特汽車系統集団有限公司 (ネクスティア・オートモーティブ) |
株価 | 情報種類 |
6.38HKD |
株価 企業情報 チャート |
大手自動車部品メーカー、ネクスティアの2022年6月中間決算は、売上高が前年同期比3.3%増の17億9,100万米ドル。米国の繰延税金資産に絡む法人税評価引当金4,900万米ドルが響き、最終損益は1,100万米ドルの赤字に転落した。この要因を除外した調整後純利益は54%減の3,800万米ドル。主に利益率の悪化が響いた。ただ、新規受注は上期に44億米ドルと、通期目標63億米ドルを上回るペース。BOCIは続く下期には原材料価格の反落や供給不足の解消に向けた生産増で、利益率が回復すると予想。現在株価の低バリュエーションや業績回復見通しを考慮した上で、目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
上期の売上高は前年同期比3.3%増。為替差損(2,900万米ドル)と原材料高騰の一部転嫁による顧客から回収分(3,200万米ドル)を除いた調整後では3.1%増と、やはり世界自動車産業の生産動向(1.8%減)を上回るペースだった。地域別では北米で7.0%増収、EMEASA(欧州・中東・アフリカ・南米)で横ばいと、いずれも業界全体を上回る成績。ただ、中国のコロナ対策による都市封鎖が響き、アジア太平洋は2.5%減収となった。
原材料高と物流コストの高騰で、粗利益率は前年同期の13.1%から8.4%に低下した(前四半期比では横ばい)。EBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)マージンは、EMEASAで1.5%ポイント高の8.4%に達したが、物価高の北米では7.2%へ4.3ポイントダウン。アジア太平洋では20.9%から18.1%に低下したものの、依然高水準だった。BOCIは原材料価格の反落などを理由に、下期の利益率の改善を見込む。
新規受注は上期に44億米ドルと通期目標を上回るペース。大型のステア・バイ・ワイヤ(SBW:ステアリングとタイヤを機械的につながず、電気信号でタイヤを操作するシステム)プログラムの受注や、中国の有力新エネルギー車メーカーからの新規受注といった大きな成果を挙げた。BOCIは通期目標の63億米ドルは十分達成可能であるとし、実際にはこの水準を上回るとみる。
BOCIは2022-2024年の予想売上高を37億米ドル、41億米ドル、45億米ドルに据え置きながらも、税負担の増加や粗利益率の想定値引き下げを反映させる形で、2022年、2023-2024年の予想純利益を34.2%、5.8-9.0%下方修正。それぞれ8,900万米ドル、1億9,200万米ドル、2億4,900万米ドルに設定した。商品高などがここ2年間、利益を圧迫してきたとしながらも、最悪期はすでに過ぎたとしている。
現在株価は2022年、2023年の予想PER(株価収益率)で23.0倍、10.6倍。2022年の予想PBR(株価純資産倍率)では0.9倍と、ヒストリカル平均の1.8倍を下回る水準にある。BOCIは2023年予想PER15倍(同11倍からの上方修正)をあてはめて目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。