2022年4-6月はコロナ禍で実質減益、6月の復調が下期も持続へ
現地コード | 銘柄名 |
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01876 |
百威亜太控股 (バドワイザーAPAC) |
株価 | 情報種類 |
23.70HKD |
株価 企業情報 チャート |
アンハイザー・ブッシュ・インベブのアジア子会社、バドワイザーAPACの2022年4-6月期のEBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)は、為替差損益や買収などの影響を除外した自律ベースで前年同期比5.6%減だった。韓国で2桁増を達成しながらも、3月半ば以降の新型コロナ感染の再燃で、中国のEBITDAが13.7%減少したことが痛手となった。全体の販売量が0.4%減少する中、売上高は3.7%増えたが、平均販売価格の上昇というプラス効果を商品インフレによる原材料高が相殺。自律ベースの粗利益率、EBITDAマージンはそれぞれ3.6ポイント、3.0ポイント低下した。BOCIは10-12月期について、やや厳しい環境を見込みながらも、7-9月期の段階では韓国での好調持続と中国市場の復調を受けた販売量の回復を予想。コスト管理を通じて、原材料高騰による影響を抑制するとみて、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
事業地域別に見ると、主に中国とインドで構成される「APAC(アジア太平洋)西部」は、4-6月期の売上高が前年同期比0.8%増。ノーマライズドEBITDA(非支配持ち分や純金融費用、関連会社持ち分損益、非経常損益などを除外したEBITDA)は14.2%減で、為替要因を除外すると12.1%減だった。主に上海や北京での外食店の営業停止が響き、中国では販売量が6.5%減。平均販売価格は1.7%上昇したものの、4.9%の減収(為替要因除外)となった。さらに原材料の高騰も響き、ノーマライズドEBITDAは13.7%減。ただ、6月には行動制限の緩和を受け、販売量が1桁台後半の伸びを回復した。BOCIは前年同期実績の低さや猛暑を理由に、7-9月に一段の回復を見込む。一方のインドでは、4-6月期にプレミアム、スーパープレミアム製品の販売量が前年同期で倍増。ハイエンド化が引き続き鮮明だった。
韓国を主力とする「APAC東部」の4-6月の売上高は16.8%増で、ノーマライズドEBITDAは34.9%の伸びだった。韓国では販売量、平均販売価格ともに1桁台後半の伸びとなり、2桁増収を確保。業務用、自宅用を問わず、上期には同国ビール市場でシェアを拡大した。3月の7.7%の値上げが4-6月の平均価格の上昇につながったが、その効果は7-9月期から3四半期にわたって続く見込み。韓国ではまた、業務用の需要回復に伴う営業レバレッジの改善効果で、EBITDAも2桁増を達成している。
BOCIは売上高や粗利益率の下方修正に伴い、2022-2024年の予想純利益を7%、5%、1%、予想EBITDAを9%、7%、3%減額修正。APAC西部、東部にそれぞれ2022年/2023年の予想EV/EBITDA倍率で23.5倍、12.3倍をあてはめ、目標株価を引き下げた(EV/EBITDA倍率はEV=企業価値がEBITDA=利払い・税引き・償却前利益の何倍に当たるかを表す指標)。レーティング面の潜在リスク要因としては、競争激化や商品インフレ、製品のプレミアム化の鈍化、コロナ長期化による影響などを挙げている。