逆風下の2022年上期から下期に復調へ、西欧市場などでシェア拡大の勢い

現地コード 銘柄名
01691

JS環球生活

(JSグローバル・ライフスタイル)

株価 情報種類

9.31HKD
(7/26現在)

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 中国の小型家電大手、JS環球生活が直面している逆風について、BOCIは同業銘柄の業績悪化を理由に、これまで予想していたより深刻である可能性を指摘している。逆風とは主に、消費者心理の悪化。それでも、複数の新製品を投入する2022年下期が焦点になるとの見方。最近の「アマゾンプライム・デー」での販売成績が、同社製品の競争力を測るための指標になり得るとした。現在株価の低バリュエーションを理由に、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 同業銘柄は上期に、マクロ環境面の逆風を受けて苦戦した。JS環球生活にとっての比較指標となる仏グループセブ(SK)の業績を見ると、上期の売上高は既存業務ベースで前年同期比2.3%減。4-6月期は同5.1%減。営業利益率は3.5ポイントダウンし、5.4%にとどまった。主に営業レバレッジのマイナス化や売上原価の増大によるもの。多くの地域でほぼ前年並みを維持したものの、主力の西欧市場で苦戦し、既存業務ベースの売上高が上期に8.7%減、4-6月期に14.5%の落ち込みとなった。

 マクロ経済環境の悪化によるグループセブの業績低迷は、マーケットにとってサプライズとなったもよう。これにより、消費者のトレードダウン(低価格品への乗り換え)やレジャー、旅行などその他消費分野への乗り換えに対する警戒感が浮上し、小売りビジネスの在庫増大に対する懸念も高まった。BOCIはJS環球生活もグループセブと同種の問題に直面しているとみて、上期に1桁台前半の減収となる可能性を指摘。純利益についても負の営業レバレッジを理由に、1桁台後半の落ち込みを示す可能性に言及している。

 ただ、グループセブは下期には順次販売が回復するとみるなど、先行きを悲観しておらず、BOCIはJS環球生活にもこの点はあてはまるとの見方だ。西欧市場での業績も上向くと予想。「Shark」「Ninja」の両ブランドを展開するJS環球生活は特にフランスとドイツで急速に売り上げを伸ばしているとし、グループセブをアウトパフォームする可能性が高いとした。グループセブにとってのプレッシャーの一因として、JS環球生活による西欧でのシェア拡大を挙げている。また、下期に関しては、先進国市場での業績が上期を上回ると予想。記録的な「アマゾンプライム・デー」の恩恵もあり、より多くの新製品を投入した同社の今後のシェア拡大が期待できるとしている。

 BOCIはインフレ環境下での消費萎縮による売れ行きへの影響を理由に、2022-2024年の予想EPS(1株当たり利益)を17%、12%、13%減額修正したが、同社が引き続き、同業銘柄をアウトパフォームすると予想。2023年予想PER(株価収益率)で1桁台という現在株価はかなりの低水準にあるとした。引き続き2023年予想PER12倍をあてはめ、目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。