2022年上期は欧米のインフレや投資拡大で小幅増益見通し、長期的には利益率改善へ

現地コード 銘柄名
03759

康龍化成北京

(ファーマロン・ベイジン)

株価 情報種類

68.80HKD
(7/19現在)

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 中国の医薬品開発業務受託(CRO)サービス大手、康龍化成はこのほど、2022年6月中間期の売上高が前年同期比39-42%増、純利益が同0-8%の小幅増となる見通しを発表した。BOCIは欧米のインフレを受けた海外事業のコスト増とビジネス拡大に向けた投資が影響したとみて、2022-2024年の利益見通しを下方修正した。この3年間の調整後純利益に関する新たな予想値は17億元、23億3,000万元、31億8,000万元(修正前は19億5,000万元、25億1,000万元、33億3,000万元)。2022年予想PER(株価収益率)60倍を適正値として目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 同社の発表によると、2022年上期の売上高は前年同期比39-42%増の45億7,000万-46億7,000万元、純利益は0-8%増の5億6,500万-6億1,000万元、調整済み非IFRSベース(一時損益を除外)の予想純利益は19-27%増の7億7,500万-8億2,700万元となる見込み。売上高の大幅な伸びは、国内外の顧客による旺盛なサービス需要によるもの。半面、一部の営業外要因や事業統合期における利益の縮小が、純利益の押し下げ要因となった。

 利益率は短期的には、複数の要因により変動するとみられるが、長期的には改善に向かう可能性が高い。上期の非IFRSベースの予想増益率が予想増収率を一定幅で下回った原因は主に、◇欧米のインフレを受けた営業コストの増大、◇中国の臨床開発能力に対する事前認識を得るための影響や新型コロナ関連規制による国内治験サービスへの影響、◇世界経済環境の変化に伴う一部ウェルスマネジメント商品の収益悪化など。ただ、BOCIは、こうした要因が営業外のファクターだと認識している。エンドツーエンドのCRDMO(医薬品研究・開発・製造受託)サービスプラットフォームの世界規模での構築とアップグレードを目指す同社では、複数の新規ビジネスが急拡大局面にあり、海外での買収事業もこれに含まれると指摘。生産能力の段階的な投入や営業効率の改善により、長期的には利益率の改善が見込めるとしている。

 BOCIは予想純利益を減額修正した上で、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を引き下げた。WACC(加重平均資本コスト)と永久成長率に関してはそれぞれ10.8%、4.0%を想定した。

 一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、新規事業の拡大に遅れが出る可能性や、ビジネス配置の加速に伴う経営リスク、新型コロナ感染による影響、為替リスクなどを挙げている。