売上高は4-6月に回復、値上げ効果で利幅縮小圧力も下期に軽減へ

現地コード 銘柄名
06993

藍月亮集団

(ブルームーン・グループ)

株価 情報種類

6.12HKD
(7/15現在)

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 中国の洗剤・トイレタリー大手、藍月亮集団は7月13日のBOCIコンシューマー・デーに参加し、売り上げ動向や利益率、代理店チャネル改革の成果、生産増強計画などに関する最新情報を共有した。BOCIは原材料価格の軟化と製品値上げによる効果で、下期には粗利益率の悪化圧力が和らぐとの見方。販売の回復を理由に、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 2022年上期の売上高は前年同期比20%増。1-3月期に落ち込んだ後、4-6月期には力強い回復傾向を示した。経営陣によれば、3-4月には新型コロナの再燃で物流が混乱したものの、5-6月には受注が大幅に回復したという。また、前年同期に行った販売代理チャネル改革の効果もあって、2022年上期の販売数量は25%強の伸びを達成。代理店の数は6月末時点で1,500強と、前年末の1,400強から増加した。さらに注目されるのは、代理店ごとの販売生産性が上向いたこと。卸売レベルでの値引き率も2022年上期には7-8ポイント縮小し、平均販売価格の回復に寄与した。半面、家電量販チェーンである蘇寧との提携の打ち切りが響き、オンライン販売は上期に1桁台半ばの幅で減少。経営陣は2022年通期の売上高について、前年比10%増との慎重見通しを示している(BOCI予想は15%増)。

 一方、粗利益率は卸売価格の値引き率の縮小により、上期の段階で改善する見込み。ただ、原材料価格が予想以上に高騰したため、経営陣は2022年通期の予想粗利益率を58-60%から、58%へ小幅に下方修正した(BOCI予想は58.7%)。商品インフレによる打撃を抑えるため、すでに7月1日付で製品値上げを実施している。BOCIは業界全体に値上げが広がる現状から、今回の値上げに伴う買い控えなどの影響は限定的との見方。ピークシーズンに当たる下期には、その恩恵がさらに鮮明となる見通しを示した。原材料価格の軟化が予想されることで、下期には粗利益率の縮小圧力も和らぐとみている。

 7月前半には、重慶市の生産・貯蔵施設の第2期分が稼働。生産ライン11本の追加により、年産能力が10万トンの幅で拡大した。これにより、物流コストの軽減や繁忙期における柔軟な生産調整、生産効率の向上が見込まれるという。同社はまた、中国の中部地区に、新たな生産拠点を設置する方向で検討している。

 BOCIは2022-2024年の予想純利益を据え置き(それぞれ12億7,000万HKドル、17億2,100万HKドル、20億9,800万HKドル)、2022年予想PER32倍をベースとする目標株価を維持。株価の先行きに対して強気見通しを継続した。レーティング面での潜在リスク要因としては、顧客忠誠度の後退に伴う競争激化の可能性や、商品インフレの継続、製品刷新の不成功、チャネル改革の結果が思わしくなく販路拡大ペースが鈍化するといった可能性を挙げている。