2022年4-6月期決算は予想上振れ、新エネ車ビジネスに勢い
現地コード | 銘柄名 |
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01211 |
比亜迪 (BYD) |
株価 | 情報種類 |
283.00HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国の有力EV・電池メーカー、BYDは2022年4-6月期の純利益が20億-28億元に達する見通しを示した。これは市場予想の上限の15億元を大幅に上回る数字。BOCIは潤沢な手元受注残や「Seal」「Sea Lion」「Frigate 07」「Denza」を含む新モデルの投入効果で下期も四半期ごとに販売台数と平均販売価格が上向くと予想。自動車販売台数や利益率に関する想定値を引き上げ、2022年、2023年の予想純利益を101億元、151億元に増額修正した。目標株価を引き上げ、株価の先行きへの強気見通しを継続した。
4-6月期の利益上振れは主に、新エネルギー車(NEV)の好調によるもの。同社が発表した上期の予想純利益は前年同期比138.6-206.8%増の28億-36億元で、経常ベースでは同578.1-795.1%増の25億-33億元。4-6月期の純利益、経常性純利益はいずれも20億-28億元に上る計算で、1-3月期比で大幅に増加する見通しとなった。上期にはNEV販売台数が前年実績の4.1倍に当たる約64万台を記録し、自動車部門の利益率が大きく改善。原材料高騰によるコスト圧力を一部相殺したという。また、コスト抑制と製品構成の改善で、携帯端末部品・組立ビジネスの採算も回復傾向を示した。
子会社BYDエレクトロニックの純利益を5億元、BYDの純利益を24億元(同社発表の予想レンジの中央値)と想定した上で、BOCIは自動車・その他事業の4-6月期の利益が21億元に上ると予想。1-3月の6億9,000万元から大きく増加するとみている。1台当たり利益は1-3月の約2,400元から約5,800元に上向く見込み。高利幅の「漢」「唐」「宋」シリーズの比重が5割を超えたという製品構成の優良化やスケールメリットの拡大、希望小売価格の引き上げが理由という。
同社は大半のモデルを対象に、2月と3月に希望小売価格の引き上げを実施しており、PHEV(プラグインハイブリッドカー)モデルは3,000-6,000元、EVモデルは5,000-1万3,000元の幅で値上がりした。PHEVの待ち時間が3-4カ月、EVが2カ月強であることから、BOCIはEVの値上げ効果は4-6月に一定程度反映されたとの見方。下期もその効果が続くとみる。
2022-2024年の予想販売台数に関しては、それぞれ166万台、236万台、266万台に上方修正。2023年の利益率を左右する要因として、スケールメリット、製品構成のほかに、NEV補助金の廃止や炭酸リチウムの価格動向、競争環境を挙げている。
ウォーレン・バフェット氏が約14年間保有してきた同社株の削減に動くとのうわさから、同社株価はここ2日ほど反落。現在株価の2022年、2023年予想PER(株価収益率)は70.1倍、46.7倍となった。BOCIはNEV部門に2022年予想PSR(株価売上高倍率)2.5倍、電池部門に同3倍、半導体部門に5倍をあてはめ、SOTP(サムオブザパーツ)方式に基づく目標株価を引き上げている。