商業不動産管理の最大手、強力な親会社をバックとした多様性が強み

現地コード 銘柄名
01209

華潤万象生活

(チャイナリソーシズ・ミックスシー・ライフスタイル・サービシズ)

株価 情報種類

39.00HKD
(6/2現在)

 株価
 企業情報
 チャート

 有力デベロッパー華潤置地(01109)傘下の不動産管理サービス会社、華潤万象生活は、商業不動産および運営管理ビジネスという分野で、国内2大企業の一角を占めるという独自のポジションを持つ。同業他社の多くがマンション管理という限られた市場で競っているのに対し、同社は高級ショッピングモール管理の最大手であり、この未開拓市場でのシェア拡大に向けて有利な立ち位置にある。管理物件の多様性は総合的なエコシステムの構築につながるだけでなく、利益率の維持という点からも有益。親会社の華潤置地から得られる管理ビジネスに加え、第三者からの商業物件管理業務の獲得においても、同社の競争力は高い。BOCIは2021-2024年に年率平均26.1%の利益成長を予想し、一段の上振れも十分あり得るとの見方。株価の先行きに対して強気見通しを付与し、同社株のカバレッジを開始した。

 同社は異なるタイプの管理物件同士のシナジーを備えた総合的なエコシステムを確立している。マンション、ショッピングモール、オフィスビルなどの相互の人流やビジネス機会の促進が顧客満足度や忠誠度の向上につながる。

 2021年の粗利益率は31.1%と、同業他社の中でトップクラスだった。商業ビル業務の比重の高さを強みに、利益率は引き続き安定的に推移する可能性が高い。商業ビルは通常、一人のオーナーが所有し、保有物件の効率や収益性を重視するために、管理サービス契約において合理的な利幅を設定するケースが多い。

 また、同社が所属するのは小売りや医療、金融など、多方面においてトップクラスの存在感を誇る国務院傘下の華潤グループ。グループ内リソースのまとめ役として機能し、顧客に高付加価値サービスやユーザー体験を提供することが可能となる。直接の親会社である華潤置地は強固な財務基盤と多様な開発物件・投資物件を保有する優良デベロッパーであり、これが同社の業務量の拡大を支える要因。このメリットは特に、非住宅部門で顕著となっている。

 ライフスタイルサービスも同社の強みの一つ。IT技術を活用することで顧客アプリを通じ、ユーザー体験や会員制プログラムの拡大につながる多様な商品・サービスを提供している。

 BOCIは2023年予想PER(株価収益率)35倍をあてはめて目標株価を設定した。2021-2024年に年率平均26.1%というコア利益の予想成長率は、既存のショッピングモール管理事業だけを組み込んだもので、第三者との新規のモール契約は含まれておらず、かなり控えめな数字。従って、目標株価もかなり控えめな水準であるという。一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、新型コロナ感染によるコスト増や商業ビルの利用者の減少、現金回収率の低下などの可能性を挙げている。