2021年10-12月に好決算、製品構成のプレミアム化が一段と加速
現地コード | 銘柄名 |
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01876 |
百威亜太控股 (バドワイザーAPAC) |
株価 | 情報種類 |
23.95HKD |
株価 企業情報 チャート |
アンハイザー・ブッシュ・インベブのアジア子会社、バドワイザーAPACの2021年10-12月期決算は、純利益、非経常項目などを除外したノーマライズドEBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)、粗利益率、売上高が、それぞれ90%、40%、2.2ポイント、4%の幅で、BOCIの予想を上回った。中でも注目されるのは、すべての主力市場でシェアが拡大したこと。2021年12月通期のシェアは、中国、韓国でそれぞれ前年比0.8ポイント、1.29ポイント上向いた。2021年の期末配当は1株当たり3.02米セントと、前年の2.83米セントからの増配で、配当性向は41%となる。BOCIは製品のプレミアム化やデジタル化がこの先、さらなる売り上げ成長を後押し、商品インフレに対する利幅の弾力性も増すとの見方。新型コロナウイルスの感染抑制に向けた現地政府の効率的な取り組みも、業務用を中心とする売り上げへの悪影響を軽減するとみて、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
地域別に10-12月期決算を見ると、主に中国とインドで構成される「APAC(アジア太平洋)西部」では、ノーマライズドEBITDAが前年同期比34.6%増(7-9月は同4.2%減)。効果的な収益管理や旧正月の早めの到来(2022年の旧正月は2月1日、前年は2月12日)などが寄与した。販売量の8.6%増や平均販売価格の9.2%の上昇を背景に、売上高は18.5%増加した。うち中国では、ノーマライズドEBITDAが10-12月期に25.6%増(7-9月は6.6%減)。販売量が前四半期の7.1%減から8.5%増に転じた上に、平均販売価格の上昇率が前四半期の3.7%から10.3%に加速。売上高の19.7%の伸びを支えた。また、プレミアム、スーパープレミアム製品の販売の2桁増が、全体の粗利益率を2.7ポイント押し上げる効果を生んだという。BOCIは中国でのプレミアム化と販路の拡大が2022年も続くとみる。一方、インドでもプレミアム、スーパープレミアムがけん引し、2021年通期の販売量、売上高がともに2桁増。市場シェアも引き続き拡大した。10-12月期には売上高、純利益がともにコロナ前の水準を回復している。
韓国を主力とする「APAC東部」では、ノーマライズドEBITDAが10-12月期に前年同期比15.7%増加した(7-9月は横ばい)。売上高は12.2%増(7-9月は2.9%減)。販売量が9.0%増加し、平均販売価格も2.9%上向いた。韓国での11月のまん延防止措置の解除が販売量の伸びに寄与したという。韓国での市場シェアは4四半期連続で拡大しており、BOCIはこの傾向が2022年も続くとみている。
BOCIは2022年、2023年の予想EBITDAを3%、4%増額修正。SOTP(サムオブザパーツ)方式に基づく目標株価を5%引き上げ、株価の先行きに強気見通しを継続した。レーティング面での潜在リスク要因としては、市場競争の激化、商品インフレ、プレミアム化のペースダウン、新型コロナによる影響の長期化などの可能性を挙げている。