2021年本決算は110%超の大幅増益見通し、利益率はこの先さらに改善へ
現地コード | 銘柄名 |
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00291 |
華潤ビール控股 (チャイナ・リソーシズ・ビア) |
株価 | 情報種類 |
58.85HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国のビール最大手、華潤ビールは26日、2021年12月本決算について前年比110-124%の大幅増益見通しを発表した。下期の純利益は1億-4億元になるとみられ、経常性の純利益はBOCIが予想した3億4,800万元とほぼ一致する数字となる。BOCIは製品構成のプレミアム化への継続的な取り組みと値上げ効果により、2022年には収益性がさらに改善する可能性を指摘。同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
経営陣が示した2021年通期の予想純利益は前年比110-124%増の44億-47億元(上期純利益は前年同期比106%増)。BOCIが予想した42億元を上回る見通しとなった。同社経営陣は好決算要因として以下の3点を挙げている。【1】上期に一過性の土地譲渡益13億元(税引き後)を計上した、【2】減損損失や工場閉鎖に伴う従業員補償の縮小で、一般管理費が減少した、【3】製品構成のプレミアム化戦略や9月の値上げによる平均販売価格の上昇で粗利益率が改善。販路への投資や人件費の高騰に伴う販売費・物流費の増大を十二分にカバーした。
9月の値上げを受け、2021年下期には粗利益率が改善した可能性が高く、営業利益率の押し上げ効果も2022年には顕在化する見込み。商品(原材料)インフレ圧力が続く中、経営陣は2022年1-3月期に再び値上げに動く可能性を排除しておらず、BOCIはさらなる値上げの可能性と製品構成のプレミアム化が向こう数年にわたり、利幅の拡大をけん引するとみる。経営陣はプレミアムビール(サブプレミアム以上)の販売量について、2025年までに400万キロリットルを目指す目標を維持しており、まずは2022年時点で、前年比20-25%の伸びを見込む。2022年も「勇闖天涯Super X」や「ハイネケン」「SNOW(雪花)ドラフト」など、プレミアムブランドへの投資を継続する意向という。
同社はプレミアム化戦略の下、新たなブランドや新規ビジネスへの投資も継続する方針で、製品候補の中から、まずは2022年中にピュアモルト・ドラフトビールを投入する予定。さらに白酒(パイチュウ)メーカーの山東景芝白酒への戦略投資を手始めに、商品ポートフォリオの拡充に向けた酒類事業のM&A(買収や合併)の機会を探っている。
BOCIは2021-2023年の利益見通しを据え置き、2022年EV/EBITDA倍率24倍に基づく目標株価を維持。株価の先行きに対して強気見通しを継続した(EV/EBITDA倍率はEV=企業価値がEBITDA=利払い・税引き・償却前利益の何倍に当たるかを表す指標)。一方、レーティング面のリスク要因としては、市場競争の激化や、プレミアム化戦略の遅れ、あるいは製品値上げが難しくなる可能性、商品インフレ、パンデミックの再発生などを挙げている。