コロナ禍で主力チェーンの売り上げ悪化も先行き楽観、出店攻勢継続へ
現地コード | 銘柄名 |
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09922 |
九毛九国際 (ジュウマオジュウ・インターナショナル) |
株価 | 情報種類 |
15.36HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国のレストランチェーン、九毛九国際の経営陣はBOCIが主催したインベスターデー(1月13日)に参加。最新の業務動向や出店目標、マルチブランド戦略などに関する情報を共有した。BOCIは同社が展開する主力チェーンの一つ、「太二」(四川料理の酸菜魚を売りとするレストラン)の既存店売り上げの落ち込みに対する投資家の過剰反応を指摘し、ブランド価値の弱体化というより、新型コロナウイルスの感染拡大が影響したと分析。「太二」の安定成長や新規ブランドの発展に対する楽観見通しを維持し、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
経営陣によると、コロナ前の2019年同期と比較した「太二」の既存店売り上げ伸び率は、2021年上期に2%減だったが、下期にはさらに弱い数字となった。新型コロナ感染の拡大を受け、特に10-12月に悪化したという。BOCIはそれでも、ショッピングモール全体の来客数の減少率(2021年下期に2019年同期比で推定30-50%減)より、「太二」の業績の落ち込みは小幅にとどまったとみている。実際、経営陣によれば、「太二」店の約90%が、入居先のショッピングモールで販売効率トップ3にランクインしたという。経営陣は2021年と同じ感染状況が続くとの想定の下、2022年の既存店売り上げについて、前年比横ばいか、あるいは微増との見通しを明らかにしている。
「太二」の2022年の出店目標は150店。これは前年実績の約120店舗を上回る数字であり、経営陣の楽観見通しをうかがわせている。1線・2線級の主要都市部で店舗密度を高めるほか、3線級以下の中小都市の店舗網を強化する方針という。BOCIは同社がブランド力を強みに、コロナ禍というタイミングで、有利な条件で店舗物件の賃貸契約を結ぶことに成功した点に着目し、将来的な賃料支出の低減を予想。また、1店舗当たりのスタッフ数の減少を見込み、労働生産性の向上にも期待できるとみている。
経営陣は引き続き、マルチブランド戦略を推進する方針。2021年末までに9店舗を開業した 「慫重慶火鍋廠」(Song Hot-Pot Factory)に関しては、2022年に10店舗を追加する予定。また、2021年には新たに「頼美麗」2店舗を開業し、グリルドフィッシュ市場にも参入した。
BOCIは「太二」の生産性の低下を反映させる形で、2021-2023年の予想売上高を11%、11%、9%減額修正。予想EBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)を14%、13%、10%下方修正した。2022年EV/EBITDA倍率18.8倍をあてはめ、目標株価を引き下げつつ株価の先行きに強気見通しを継続した(EV/EBITDA倍率はEV=企業価値がEBITDA=利払い・税引き・償却前利益の何倍に当たるかを表す指標)。一方、レーティング面の潜在リスクとしては、パンデミックの長期化や食品安全問題、商品・人件費などの価格高騰、マルチブランド戦略の履行状況の遅れなどの可能性を指摘している。