歯列矯正需要が拡大、2021年通期に35%超の増収見通し

現地コード 銘柄名
06699

時代天使科技

(エンジェルアライン・テクノロジー)

株価 情報種類

315.00HKD
(12/9現在)

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 マウスピースタイプの歯列矯正ソリューションを手掛ける時代天使科技は、2021年7-9月期、1-9月期の販売セット数がそれぞれ、前年同期比20%、40%の伸びを示した。平均販売価格はタイプ別に横ばい、あるいは前年同期を上回る水準だった。経営陣は2021年12月通期の販売数について前年比30.8%増を見込み、売上高が同34.6-46.9%増の11億-12億元に達すると予想。今後も競争力を維持する見通しを示し、クリアアライナー(プラスチック製の透明なマウスピース矯正器具)が社会医療保険制度下の集中購買リストに掲載される可能性は低いとの見方を示した。BOCIは2021年通期純利益が現行予想を上回る可能性が高いとみて、予想値をやや上方修正。目標算出基準を2021年予想PER(株価収益率)147倍から135倍に下方修正しながらも、目標株価を小幅に引き上げた。新たな目標基準となる135倍は、大手美容医療メーカーの現行PERと並ぶ水準であり、BOCIは同社の目標株価としても適正との見解。バリュエーションや利益成長見通しを考慮した上で、株価の先行きに対して中立見通しを据え置いている。

 同社経営陣のガイダンスを見ると、7-9月、1-9月の販売数は前年同期比20%増の6万6,000セット、40%増の14万6,000セット。12月通期には前年比30.8%増の18万セットに上り、平均販売価格は前年比で小幅に上向く見通しという。

 製品別にみると、1-9月に販売数が大きく伸びたのは、平均単価が最も低い廉価版「COMFOS」、平均単価が最も高い上級版「Pro」、前年実績が低い子供向けシリーズ「Kid」。うち「Pro」の販売数は前年同期比で倍増以上の伸びを記録した。半面、COMFOSとProに客が流れたことで、「標準」版の増加ペースは限定的だった。これにより、2021年通期には「Kid」と「Pro」が売り上げ全体に占める割合が約5%、35%に上向く見込み。続く2022年には「Pro」の比重が約5割に上る見通しという。「Pro」の平均単価は標準版を約26%上回る水準にある。

 一方、経営陣はクリアアライナーが社会医療保険の集中購買リストに載る可能性は低いとの見解(同リストに載ると販売個数は増加するが、価格は基本的に大きく下がる)。今後も消費主導型製品であり続けるとみている。中国のクリアアライナー市場では現在、時代天使科技と米アライン・テクノロジー(ALGN)が各40%のシェアを握るが、経営陣によれば、現時点では寡占環境に対する新たな脅威は存在しないという。

 BOCIはレーティング面の潜在リスク要因として中国経済の減速に伴う消費低迷の可能性を指摘しながらも、クリアアライナーの浸透率の低さが需要増を後押しすると予想。売り上げ見通しを据え置いたうえで、2021年の予想粗利益率と予想純利益を上方修正。目標株価をやや引き上げ、株価の先行きに対して中立見通しを継続している。