2021年9月中間期は125%増益、年間出店計画を400-500店に上方修正

現地コード 銘柄名
00590

六福集団国際

(ルック・フック・ホールディングス)

株価 情報種類

22.85HKD
(11/30現在)

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 香港系の宝飾品製造販売会社である六福集団の2021年9月中間決算は、全事業部門の復調を背景に、純利益が前年同期比125%増の6億5,400万HKドルに達した。経営陣は中国の宝飾品市場の先行きに対してより楽観的な見通しを示し、本土での出店ペースを大幅に加速させる方針。BOCIは卸売事業の拡大を前向きに評価した上で、目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 9月中間期の売上高は前年同期比67%増の55億9,100万HKドル。主に香港・マカオでの直営ビジネスの回復がけん引した。全体の粗利益率は26.8%と、前年同期比6.4ポイント低下したが、これは主に、金価格が不利な方向に変動したため。利幅の低い金製品の比重が高まったことも響いた。ただ、卸売りおよびライセンシング業務の継続的な拡大を受けて、営業レバレッジ効果が顕在化し、営業利益率、純利益率はそれぞれ前年同期比およそ0.7ポイント改善。これが125%の大幅増益を後押しし、同社が11月22日に発表した事前の見通し通りの数字を達成した。

 中間期の好決算を受け、経営陣は出店計画を上方修正。2022年3月通期の中国本土での純増数が500店舗(350店舗から上方修正)に達する見通しを示した。また、向こう3年間にわたり、同社全体の純増数を年間約400-500店舗とする計画。従来の同150からの大幅な引き上げとなった。総店舗数に関しては、「中期的に5,000店程度」が妥当な目標になるとの見解だが、これは現在のほぼ2倍に当たる数字(2021年9月末時点で2,601店舗)。BOCIは2024年度に3,770店舗への到達を予想。2021-2024年に年率平均17%の増加ペースを見込む。

 2022年3月期の下期(2021年10月-2022年3月)には、前年同期実績の高さにもかかわらず、経営陣は既存店売り上げのプラス成長を目標に掲げている。また仮に、本土、香港、マカオ間の出入境制限の緩和が実現すれば、本土以外の小売事業にプラス(本土市民による旅行先での消費が予想されるため)。地域別の収入構成の違いから、この点は同業他社以上に、同社にプラスとなる可能性が高い。

 BOCIはフランチャイズモデルを通じた回復力の強さという点で、同社を前向きに評価し、長期的な市場シェアの拡大を予想している。主に出店目標の上方修正を反映させる形で、予想EPS(1株当たり利益)を5-9%増額修正。従来と同様に2023年予想PER(株価収益率)12倍をあてはめ、目標株価を引き上げた。

 一方、この先のレーティング引き下げにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、◇新型コロナに起因する小売市場の低迷◇金相場の変動による金製品売り上げや粗利益率の悪化◇出店ペースの鈍化◇予想以上の販管費の増大などの可能性を指摘している。