スマートEVのパイオニア、自動運転技術が強み
現地コード | 銘柄名 |
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09868 |
小鵬汽車 (シャオペン) |
株価 | 情報種類 |
149.80HKD |
株価 企業情報 チャート |
小鵬汽車は最先端の自動運転システムを手頃な価格で提供するスマートEV(電気自動車)ブランドとのイメージが強い中国の新興EVメーカー。ごく初期段階から、社内で自動運転システムの開発を手掛けてきたことから、BOCIはこの分野での同社の先発者アドバンテージを指摘している。スマートEV時代においては、車両のインテリジェンスが完成車メーカーの重要な差別化ポイントとなるが、同社はソフトウエアの迅速な開発やハードウエアとのシームレスな統合という点で、高い競争力を発揮できる立ち位置にあるとの見方。米NY上場のADRと香港上場株の先行きに対し、いずれも強気見通しを付与し、新規のカバレッジを開始した。
同社製のEVは15万-40万元の価格帯であり、中・高級市場がターゲット。この価格帯で採算性を確保するためには、コスト管理能力や経営効率が求められるものの、幅広い顧客基盤を持つことが可能とみられ、ソフト開発やアルゴリズム・トレーニングを進める上では有利な立場にある。
マルチプラットフォーム戦略の下、現時点では3種のEVモデルがセダン(P7とP5)、SUV(G2i)という主要セグメントをカバーする。2023年以降はニューモデルの投入を加速させ、毎年2-3種というペースを目指す方針。そうなれば、2025年には約10モデルがそろう運びとなる。
2021年10-12月期に入り、これまでの委託生産方式から自社生産にシフトした。現在の年産能力は10万台で、2023年には40万台に達する可能性が高い。販売面では直販を重視する同業他社とは異なり、直営店とフランチャイズの両面展開が特徴。これにより迅速かつ低コストでの販売網の拡大が可能となる。2021年6月末現在、店舗総数は72都市に約200店(うち110店が直営)。2021年末には350店規模への拡大を目指す。
同社の強みは、自動運転分野での先発者アドバンテージにある。同じ新興EVメーカーである上海蔚来汽車(NIO)や理想汽車(02015)に先駆け、自前で総合的なソフト開発力、研究開発力を備えた中国初のEVメーカーが同社。知的財産権を持つ私有ソフトウエア「XPILOT」は、中国のユーザー性向や走行シーンに最大限に配慮した最先端の自動走行システムとして高い評価を得ている。
BOCIは2021-2023年の年間販売台数を9万台、16万台、25万台を予想している。同社のADRと香港上場株は現在、上海蔚来汽車、理想汽車とほぼ同水準(PER[株価収益率]5-6倍)で、米テスラ(11倍)を大きく下回る。BOCIは現在のバリュエーションにはスマートEV部門における先発者アドバンテージ、特に自動運転の最先端技術が反映されていないとの見方。2022年予想PER8倍をあてはめて目標株価を設定。ADR、香港株双方の株価の先行きに対して強気見通しを付与している。