無事お目当ての株主優待銘柄を購入し、後は届くのを待つばかり。それも良いですが、株式市場は常に動いています。せっかく真剣に選んだ銘柄、買った後もきちんとケアしてあげましょう。次に考えるのは「情報戦」への備えです。

「優待廃止・改悪=即売り」とは限らない?

 上場企業は3カ月に1度「四半期決算短信」を発表しています。また不祥事や大型の買収、会社の利益、不利益になることも逐次発表。もちろん株主優待についても、新設や変更、拡充、改悪、廃止なども全ての人に公平になるようにお知らせを出しています。

 まず一番早く、見やすいのは、東京証券取引所の開示情報「適時開示情報閲覧サービス」です。こちらには上場企業が発表する全ての情報が載っており、検索機能で「優待」と入れると、優待に関する開示情報が分かる仕組みになっています。ただ、公開期間は1カ月なので、ご注意ください。

 優待銘柄が開示情報で「優待廃止」や「優待改悪」が出ると、たいていは翌日の株価は大きく下落。持ち株だった場合、急な下落を何も知らずおたおたするより、理由を知っていた方が少しでも安心します。

 また株価下でも、その銘柄が気に入って、よく利用するのであれば、安く購入することもできます。最近は優待廃止や改悪が、増配とセットで発表されることもあり、「優待廃止・改悪=即売り」とは限らないようです。

 優待の情報は、他にもかすみちゃんのブログなどは優待情報がすぐにアップされ、優待投資家の中でもとても人気のブログです。こちらをチェックするだけで、優待のトレンドが分かりますよ。

株購入後に大切な「情報収集」

 他に個別で株価が大きく動く原因としては、業績の上下がありますが、自社株買い、株式分割、増配・減配など株主還元策などもあります。株価が大きく動いた時にどうするか。

 結構悩ましいのですが、優待がどうしても欲しいなら継続保有。ニュースが出て株価上昇なら利益分と優待内容を天秤(てんびん)にかけて、どちらを選ぶか決断。下落した場合、下落理由が保有理由と合わないならば売却。

 この判断も人それぞれ。私も売った後に上昇してしまうなんて数え切れませんが、自分なりの「理由」があれば、納得できます。

 株式分割のニュースも株価上昇のきっかけになります。流動性が低く、購入額が高額になると、例えば1株を2株に分割することで売買単価を下げ、流通量が増すことになります。  

 ただ注意する点は、今まで100株で優待をいただけたのに、分割で200株からと最低単位が変更になる場合もあります。優しい会社は分割しても100株優待を新設し、そのまま100株優待を残して下さいますが、その場合、今までよりも半分の投資額で同じ優待をいただけることになるので、株価上昇の理由となりますよね。

 自分のポートフォリオを見て、「何で200株になっているの?100株売っちゃおう」と売ってしまうと、優待がもらえないこともあります。そのような不幸な事件を避ける意味でも、マメな情報収集は大切になってきます。

 他にもMBOで上場廃止になってしまい、株を売買するのに余計な手間がかかってしまうとか、社名変更で見たこともない社名がいきなりポートフォリオに現れたりなど、事前に知っていると心構えもできますし、冷静な対処もできます。そのためにも株の購入後の「情報収集」は大切なケアの一つです。

優待到着後も注意!最後の落とし穴があるかも

 さて、いろいろな関門をクリアして、優待品がお手元に届きます。クオカードや優待券は総会後に送られる書類に同封されていることが多いので、きちんとチェック。持ち株が多い方は、6月の初めに届く株主総会招集通知の封筒と、月末に届く関係書類と、とにかく郵便物が大量に届くので、間違って捨ててしまわないように気を付けて。

 届いた優待も優待券なら有効期限、食品なら賞味期限、カタログなど申し込みが必要なものなら締め切りをチェック。会社によっては、申し込まないと優待が届かないとか、締め切りがとても短いとか、面倒くさがらず細かい所まで注意書きは読みましょう。最後の最後に落とし穴が待っているかもしれませんからね。

「3月が優待祭り!」ですが、実は私が一番忙しいのは6月。どんどん届く招集通知を開封し、行ける総会、行けない総会を分け、行けない総会は議決権を行使。6月半ば過ぎからは、株主総会に行きながら、自宅に帰ると行った総会をまとめ、届いた優待の整理。6月は優待銘柄も多いので、株の売買も。うれしい、楽しい悲鳴なのですが、6月が終わると謎の達成感に襲われます…。

 これから始まる3月の優待祭りを楽しみ、買った銘柄のチェックを怠らず、優待が届く6月を楽しみに待ちましょう。その頃にはあなたもすっかり株式投資と優待の魅力にはまっているはずです。