ラクビー引退後を見据えて投資をスタート

──のがたかさんは幼少期にラグビーを始めて選手として活躍され、10代のとき日本代表にも選ばれています。そういう人がなぜ投資家になったのでしょうか?

 大学卒業後、社会人2部リーグに所属する企業でラグビーを続けていました。昼間は営業の仕事に奔走し、夕方からグラウンドに出て汗を流すという日々を送っていたんです。ところが、そのうち将来に不安を覚えるようになりました。いずれラグビーを引退するときがやってくる。そのとき自分に何ができるかと考えたら、何も思い浮かばなかったんです。

 もちろん、営業の仕事も真剣に取り組んでいましたが、人に自慢できるような実績を残したわけではありません。それで26歳のとき、せめてお金くらいは残しておこうと投資を始めたんです。

──何から始めたのですか。

 当時、兄がIPO(新規公開株)投資を行っていたんです。それで兄に話を聞き、IPO投資を始めました。他にも投資信託を買ったり、FXのシストレ(システムトレード)に挑戦したりしました。

──成績はどうでしたか。

 IPOはよかったです。IPOは抽選に当たらないと購入できませんが、何度か当選し、そこそこ利益を得ることができました。投資信託はインデックスファンドと、あと「ひふみプラス」というアクティブファンドを購入しましたが、こちらもまずまずの成績でした。

──シストレはどうでしたか?

 シストレはダメでしたね。たしか雑誌か何かで、誰でも稼げるみたいな記事を読んだんですよ。自動的にトレードしてくれるので、投資やFXの知識がなくても稼げると。それで、IPOで得た資金を倍にしてやるぜ、と意気込んで始めたのですが、増えるどころか、目減りする一方でした。結局、50万円投資し、30万円になったところでやめました。

──苦い思い出になってしまいましたか?

 そうですね。でも、今思えば失敗して当然です。よく知らずに、うまい話にそそのかされて、大金を注ぎ込んでしまった。IPOがうまくいって、つい調子に乗っちゃったんです(笑)。自分のリスク許容度もまったく分かっていなかった。20万円程度のマイナスで済んでラッキーだったかもしれません。

ロボットスーツのサイバーダインという銘柄のIPOに当選し、50万円以上の利益に!「投資ってこんなに増やせるんだ…」と思ったそう。「でも、欲を出して勉強不足のまま投資して失敗した経験も、忘れないようにしています」