自営業だった人や民間企業に勤務していた人が公務員に転職する場合、あるいはそれまでの仕事を辞めて専業主婦(夫)になる場合は一番シンプルです。 iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)を利用するしかないからです。
(1)iDeCo(イデコ)に入っていた方
自営業やフリーランスの方、および企業年金制度のない会社に勤めていた人はそれまでiDeCoを利用していたはずですので、それをそのまま継続することになります。その場合、それまでとは別の金融機関を選ぶこともできます。
そして、職業・立場が変わることになりますから「加入者被保険者種別変更届」を金融機関に提出して、公務員ならば月額1万2,000円、専業主婦(夫)ならば2万3,000円までの掛金額に変更をする必要があります。
転居していれば、合わせて住所変更を行ってください。これをしておかないと、税の還付に必要な「小規模企業共済等証明書」など大事な書類が届かなくなってしまい、税の優遇が受けられない場合が出てくるからです。
(2)企業型に加入していた方
民間企業に勤めていて企業型に加入していた人が転職して公務員になったり、その会社を辞めて専業主婦(夫)になったりした場合は、必ずiDeCoの口座を作り、企業型で積み立てた資産を移さなければなりません。確定拠出年金の資産は60歳までは引き出せませんので、企業型に加入できなくなった立場の人はiDeCoの口座を作ってそちらに移さなければならないからです。
この場合、従来企業型で加入していた金融機関と必ずしも同じところへ移さなければならないということはありません。金融機関によっては、iDeCoを取り扱っていないところもありますし、他の金融機関と比べて、あまり魅力的でない商品ラインアップしかない場合もあります。
自分自身がどこでiDeCoの口座を作るかを決めてください。また、資産は必ず移さなければなりませんが、その後、積み立てを行うかどうかは任意です。