2018年10~12月期決算では多くの5G関連銘柄が好業績を発表しました。5G元年が開幕し、期待感だけでない現実的な需要が株価に反映され始めたようです。

 1月は多くの企業が2018年10~12月期の決算を発表し、好調な5G(第5世代移動通信システム)関連銘柄は市場の注目を集めました。2018年は米中貿易摩擦など外的要因に左右される局面もありましたが、独自の技術やサービスにより競争優位性を高める企業や、中国製品の一部市場撤退を受けて業界シェアを伸長した企業などは、好調な業績となりました。

 今回好決算を発表した5G関連企業はまだほんの一部であり、今後世界的に進展する5Gの普及とともに、関連事業が業績に好影響をもたらす企業は増加すると見られます。5Gに関連した技術・製品・サービスへの需要は引き続き拡大し、業績の好調な企業はさらに5G関連投資を加速させる、といった好循環が生まれることが予想されます。

 一方で、5Gブームに乗り、業績や見通しに基づかないままイメージ先行により値上がりしている銘柄も見られることから、今後はますますしっかりとしたファンダメンタルズ分析に基づく銘柄選択が重要になると思われます。

 

好決算を発表した主な5G関連銘柄

ザイリンクス (米国、通信インフラ関連)

・基地局向け半導体FPGA*で高い市場シェアを誇る
・韓国や中国において5G基地局の敷設が急ピッチで進められたことから、同社製品に対する需要が拡大
・新たな基地局の敷設やアップグレードは現在世界各地で進行中であり、製品受注はさらに増加する見込み
*FPGAとは、完成後に回路設計の変更が可能な半導体のこと

 

プルーフポイント (米国、通信インフラ関連)

・メールセキュリティソフトウェアの業界リーダー
・セキュリティソフトの需要増、特にクラウド向けなど高度なソフトウェアへの受注が業績を押上げ
・Microsoft Office 365のセキュリティ・プロバイダとしての存在感、サイバーセキュリティ意識の高まりが好材料に

 

村田製作所 (日本、IoT機器・装置関連)

・MLCC(積層セラミックコンデンサー)など、次世代通信機器に搭載される高性能な電子部品を製造
・基地局向け電子部品需要の拡大が好材料に
・5GやIoT機器・装置の普及、データ通信量増加に伴うデータセンター投資の拡大により需要は引き続き堅調

 

キーサイト・テクノロジーズ  (米国、通信インフラ関連)

・ネットワークの通信状況をテストする際に使用される電子計測機器メーカー
・堅調な製品需要に加え、大手半導体企業の決算説明会で「5G関連需要が増加する」との見通しが公表されたことが追い風に
・同社製品はインフラ投資の初期に導入され、5G関連投資の恩恵を早期に享受しやすい

 

メラノックス・テクノロジーズ (イスラエル、通信インフラ関連)

・Alibaba、Facebook、Netflixなどを顧客に抱え、サーバー接続に必要なネットワーク機器等を提供
・データセンター投資の増加に伴い、大容量通信に対応した「次世代型LANカード」の販売が好調
・高性能な通信インフラの需要や同社技術を評価したインテルによる買収報道が好材料に

※株価とEPSの推移は、2016年1月31日~2019年2月20日、日次、2019年以降のEPS予測値は当資料作成時点のBloomberg予測値(会計年次ベース)。図・写真はイメージです。  
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成 
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