「分裂」を知らずして、ビットコインは語れないみたい
ぐんぐん上がるビットコイン(BTC)価格。
2017年9月には40万円前後だったのが、12月には200万円を突破。わずか3カ月で約4倍になりました。年初からすると約20倍です。
今年、勢いに乗ってよくわからないまま買ってみた私のビットコインも日に日に利益を積み重ねています。
「今日は上がるの?下がるの?」と必死に情報収集をしていると、避けられない「分裂」の二文字。保有する前は「分裂ってなんやねん・・・」と無視していましたが、実際にビットコインを持ってみると知りたくなるのが人間の性というもの。
というわけで、ビットコインの「分裂」とは何か?
「分裂」を目の前にして我々(というか私)はどうすればいいのか?
調べに調べ、考えに考えました!
「分裂」は「マイニング」のルール変更!?
そもそもビットコインは、毎日毎日「マイニング」という作業によって新たに発行されているもの。「マイニング」とは、ビットコイン(仮想通貨)特有の管理方法である「ブロックチェーン」への記録を手伝うという作業のことです。
※この段階で「ん?どういうこと?」と多くの人(私をはじめ)がなりますが、簡単に言うと、毎日どこかの賢い誰かが新しいビットコインを報酬としてゲットしていると理解します。
ビットコインには「マイニング(採掘)した人に報酬としてビットコインを与える!」というシステムがあるため、この「マイニングする人」がいないと、新たなビットコインは生まれません。
「分裂」は誰かが「勝手に」起こす!?
「分裂」のきっかけはどのようにして生まれるのでしょうか?
たとえば、ビットコインの台帳記載ルールに基づいてコツコツとマイニングしていた人がある日ふと思うのです。
「今のルールよりこういうルールにしたほうが便利じゃないか?」と。
そして、その「ルール変更」に賛同した人たちがある日を境に新しいルールでマイニングを行おうと「勝手に」決めてしまいます。
ビットコイン自体のルールを変更すると「いろいろな問題」があるため、新たなルールで記載した台帳の分は「新たなコイン」として記録していくことになります。
これが「分裂」の瞬間です!
※「いろいろな問題」については複雑すぎるためここでは書きません。
分裂したコインは「ビットコイン」なの?
こうして生まれたコインが「ビットコインキャッシュ(BCC)」や「ビットコインゴールド(BTG)」というものになります。
ビットコインとは別物になるのですが、その名前に「ビットコイン」という名前が入っている通り、ビットコインから派生し、基本ルールはビットコインを踏襲しているため、その発生にはビットコイン本体への影響が大きく出てくるように思えます。
分裂で生まれる新コインはタダでもらえる!?
実際に、私がビットコインを持っている間に「ビットコインキャッシュ」と「ビットコインゴールド」への分裂が行われました。
分裂というからには、持っているビットコインの一部が他のコインに置き換わるようなイメージを持っている人も多いのですが、実際はそうではありません。
持っているビットコインの数量に応じて、新たにコインが「付与」されるのです。
「え、タダでコインもらえんの?」と思うと思いますが、もらえます。
実際に付与された「ビットコインキャッシュ」は、まちがいなく私の口座に入っています。
新しいコインをタダで付与するのは、今後そのコインの取引を普及させるためのマーケティング的な目的とも言われています。
分裂後のビットコイン価格。経験には「下落」?現実は「上昇」
今ビットコインを持っている人もこれから買おうかなと考えている人も、気になるのは「分裂」によりビットコインの価格は上がるのか?下がるのか?だと思います。
現時点での結果から言えば、理論的には「下がる」はずなのに「上がっている」ということになります。どういうことでしょうか?
ビットコインに株式市場の常識は通用しない?
ビットコインを持っていれば分裂したコインをタダでもらえると聞いて、頭のいい株の投資家はこう思います。
「タダでもらえるってことは、その分、価格が下がるでしょ?」
株式で言うところの「配当落ち」にあたる現象が起きると予想できるからです。
もしくはこう思う人もいるでしょう。
「分裂ってことは、その分価値が分散してしまうので価格は下がるだろう」
株式で言うところの「株式分割」にあたるという考え方ですね。
いずれにしても株式投資での経験からいうと「分裂」とそれによる「新コインの付与」は価格の「下落要因」と考えられるわけです。
しかし、これまでの結果を見ると、分裂などなかったかのようにビットコイン価格は上昇を続けています。ビットコインという市場に株式市場での常識は通用しなかったわけです。
分裂の不安要素を跳ね返す「買い」の勢い
これまでの考え方を無視して価格が上がっているのは、超絶怒涛の「買い」需要が多く関係していそうです。
たとえば、分裂先のコインがもっと魅力的なら、ビットコインの需要や資金がそちらに流れる動きがあっても不思議ではありません。
ところが、ビットコインの動きは違いました。短期的には多少そのようなことが起こったとしても、その後のビットコインへの「買い」は増すばかり。ビットコインへの期待感、将来性などの土台としての強さが、分裂による下落要因を跳ね返しているのが現状です。
むしろ、分裂による話題性と新コインのプレゼントは、新しい「ビットコイン客」を呼んできているようにも見えます。
今後の「分裂」と危険な判断って?
今後も引き続き定期的にビットコインは分裂をしそうです。すでに予定もいくつか入っています。
ビットコインという市場がまさに勃興している最中のため、分裂を無視する形で上昇を続けていますが、ここで間違ってはいけないのは「分裂で価格が上がっている」わけではなく、「分裂をかき消すほどの買いがある」ということです。
株式市場のようにビットコイン市場が成熟した状態であれば、分裂による価格への影響はまた変わってくる可能性があります。ですから、これまで経験を法則として適用するべきではないかもしれません。
「分裂するとビットコインは上がるんだよー」というのは、時を経るごとに危険な判断となりそうです。
いずれにしても、ビットコインという誰にとっても未知の部分が多い市場に対して、「株式市場」での経験を元にした考察は、それほど意味を持たないかもしれません。