今週の株式市場は思惑が錯綜しやすい

 このほか、今週は米大統領選挙における候補者どうしのTV討論会をはじめ、米アップル社のイベントが開催され、iPhone16の発表などが見込まれています。さらに、週末13日(金)の国内では、先物取引の清算日(メジャーSQ)という需給イベントも控えているなど、今週の株式市場は、様々な思惑が働きやすく、波乱含みの展開もあり得るかもしれません。

 では、今週の日経平均はどのような値動きが想定されるのでしょうか?

図6 日経平均(日足)の動き(2024年9月6日)

出所:MARKETSPEEDIIを基に筆者作成

 上の図6は、日経平均の日足チャートですが、今週の相場展開を探っていく上で押さえておきたいのは、冒頭でも触れた先物取引の終値です(大阪取引所で3万5,150円、シカゴCMEで3万5,255円)。この先物取引の終値の水準を図6に当て嵌めて見てみると、3万6,000円台から下の「取引の薄い価格帯」の中に位置することになります。

 つまり、今週の取引スタートの株価はこの先物取引の終値が意識されるため、「このまま取引の薄い価格帯を進み、3万4,000円台まで下げていくのか」、それとも、「いったん3万6,000円台まで戻して踏みとどまるのか」が焦点になります。

 もっとも、相場が下落へと進んでいった場合でも、8月あたまに見せたような下げ方にはならないと思われます。

 その理由としては、8月の相場急落で過度な楽観的なポジションがかなり整理されたと見込まれることや、3万1,000円台までは「すでに揺らいだ気持ちとして経験した価格」であり、再び下値を試すには、企業の価値や景況感、テクニカル分析の節目といった「根拠」を伴いながら株価が下げて行くことになりそうなためです。

 気を付けておきたいのは、週末のメジャーSQをにらんだ需給的な動きですが、こちらも基本的には、オプション取引における「取引量の多い権利行使価格250円刻み」が意識されることになるため、比較的「キリの良い」株価水準が値動きの目安になることが想定されます。

図7 日経平均(週足)の動き(2024年9月6日)

出所:MARKETSPEEDIIを基に筆者作成

 ちなみに、日経平均の週足チャートでは気になるサインが出現しています。

 具体的には、上の図7の週足チャートでも確認できるように、先週のローソク足が大きな陰線となったことで、13週・26週・52週の3本の移動平均線を1つのローソク足で下抜ける「3本下抜け」が出現していること、下段のMACDが「0円」ラインを下抜けしつつあることです。

 今週の株価が下方向へと進んだ場合、中長期的なトレンドも変化するかもしれないことには注意しておく必要がありそうです。