クイズの正解:収益基盤がしっかりしているB社
正解はB社です。
B社の方が営業利益率と経常利益率が高く、収益基盤がしっかりしていると考えられます。また、先行き増配余地も見込めます。
一方、A社は営業利益率と経常利益率が低く、収益基盤が弱く、先行き減配になるリスクもあります。
<A社とB社の各種利益率を比較>
収益基盤を見る上で、まず営業利益率と経常利益率を確認しましょう。B社の方が利益率が高く、しっかりした収益基盤を持っているのが明らかです。
A社の方が純利益率が高いが、特別損益の影響のため
経常利益率が高いB社が、当期利益率が低いのは、特別損失(一時的損失)が出ている(出ると見込まれる)ため。経常利益率が低いA社が、当期利益率が高いのは、特別利益(一時的利益)が出ている(出ると見込まれる)ためです。
【当期純利益】=【経常利益】+【特別利益】-【特別損失】-【税金など】
特別利益は、不動産売却益や持ち合い株式の売却益など一時的な利益です。繰り返し発生する利益ではないので、特別利益の金額が大きくても、収益力が高いとは言えません。
特別損失は、固定資産の減損損失や、リストラ損失、災害による損失などで、これも原則一時的な損失です。特別損失が大きくても、収益力が弱いとは言えません。
先行きA社には減配リスク、B社には増配期待がある
A社は特別利益を含む純利益20のうち、15を今期配当する予定です。来期、特別利益がなくなると、純利益が大きく減り、減配になるリスクがあります。
一方、B社は特別損失によって小さくなっている純利益5を、そのまま配当する予定です。来期、特別損失がなくなると、純利益が大きく増え、増配になる期待があります。
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