金の投資信託、「為替ヘッジあり・なし」どっちがいいの?

2.金の資産分散効果に期待するなら【為替ヘッジあり】の投資信託を選ぶ

3. 金の値動きをダイレクトに享受したいなら【為替ヘッジなし】の投資信託を選ぶ

 為替ヘッジとは、為替変動のリスクを回避する方法の一つです。

 現存する金関連の投資信託は、米ドル建ての金に実質的に投資するものが大多数を占め、多くは同一のシリーズに「為替ヘッジなし」と「為替ヘッジあり」の両方が展開されています。

「為替ヘッジあり」を選ぶと、米ドルと日本円の為替変動リスクを実質的に回避することができます(為替ヘッジについて、詳しく知りたい方はこちら)。

 では、なぜ金の資産分散効果に期待するなら「為替ヘッジあり」の投資信託を選ぶべきなのでしょうか。「為替ヘッジ」が分散効果につながる理由は、金(と米ドルの関係性)にヒントがあります。

 金価格は、一般的に米ドルの値動きと逆相関の関係、つまり、反対の方向に動くとされています。金価格が上昇すると米ドル安・円高方向に振れ、逆に金価格が下落すると米ドル高・円安方向に振れます。先述した、米国株式と金価格の関係性と似ています。

 このため、せっかく金価格が上昇しても米ドル安になるため、米ドル建ての投資信託のリターンは押し下げられてしまいます。したがって、理論上は、「為替ヘッジあり」を選んだ方が、為替変動による負の影響も取り除かれ、資産分散効果を着実に享受できるのです。

 とはいえ、実のところ、金価格と米ドルは必ずしもセオリー通りの値動きを見せるわけではありません。「為替ヘッジなし」を選び、為替変動を含む金価格の値動きをダイレクトに享受するという方法もあるので、ぜひ好みに応じて使い分けてください。