「配当貴族」や「配当王」の具体的な銘柄を知る
米国上場の個別銘柄に直接分散投資する方法もあります。配当貴族指数の主要構成銘柄(時価総額上位15銘柄:時価総額の降順)を図表3で一覧にしました。長期連続増配銘柄には、高いブランド力で知られている安定成長企業が多いことが分かります。
特に、ウォルマート(WMT)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、アッヴィ(ABBV)、コカ・コーラ(KO)、ペプシコ(PEP)、アボットラボラトリーズ(ABT)、ロウズ(LOW)、S&Pグローバル(SPGI)は「50年(期)以上連続して配当を増やし続けてきた銘柄」であり「配当王」(Dividend Kings)の称号が与えられています。
日本の東証上場銘柄で「配当貴族」(25年以上の連続増配企業)の名に値する銘柄は、34期連続増配の花王(東証コード:4452)と25年連続増配のSPK(同:7466)の2社のみとなっています。東証で「配当王」(50年連続増配)の称号を得られる銘柄はいまだありません。
今後も金利が上昇する場面や景気鈍化が懸念されるなど、リスクが顕在化すると株式が一時的に調整する可能性を排除することはできません。
下落相場に陥っても、「いかなる経営環境でも配当を毎年(毎期)着実に増やし続けてきた経営実績」を持つ企業群は、相対的信頼感で再び物色されやすいと考えられます。
配当貴族銘柄や配当王銘柄についても、業種(セクター)を分散しつつ複数の銘柄に時間分散していくことは、インカム(配当)の増加を期待しながら長期視点で資産の成長を目指すポートフォリオ構築に寄与すると思います。
<図表3>配当貴族指数の主力銘柄をチェックする
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