※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
バリュー株物色に新しい流れ? 不動産株上昇

3月末の日経平均は4万円台を維持

 先週(3月最終週:営業日3月25~29日)の日経平均株価は、1週間で518円下がって4万369円となりました。

 3月28日に3月期決算企業の配当落ち約260円があったことを考えると、実質的な下げ幅は258円程度と小幅でした。その前の週(3月18~22日)の日経平均が配当取りの買いもあって1週間で2,180円上昇していたことを考えると、先週の日経平均は堅調であったと評価できます。

 以下の要因が、日本株が堅調な理由と考えています。

【1】米景気が想定以上に堅調
【2】米国株(S&P500種指数)の最高値更新が続いていること
【3】円安が進んでいること
【4】日本の企業業績は、円安、米景気堅調、リオープン(経済再開)効果で良好
【5】日本銀行はマイナス金利を解除したもののハト派姿勢維持と解釈されていること
【6】米FRB(米連邦準備制度理事会)もいずれ利下げに転じると見られていること

 中でも、円安が外国人の日本株買いを招いている効果が大きいと考えられます。最近、円安なら日経平均上昇、円高なら日経平均下落となる傾向が顕著です。

日経平均と、ドル円為替レートの動き:2023年1月4日~2024年3月29日

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 年初より、「円安→日経平均上昇」が続いてきました。1ドル150円前後まで進んだ円安に、日本株の動きを支配している外国人投資家の日本株買いを招く効果がありました。以下二つの理由によります。

【1】円安は日本の企業業績にプラス
【2】円安になると、ドル建て日経平均が下落し、外国人は日本株を安く買える

 ただ、円高にふれる局面では、日経平均は急落しています。これからも、為替動向に、日経平均が敏感に反応する展開が続くと想定されます。