不動産株の上昇目立つ

 先週、日経平均が反落する中、不動産株の上昇が目立ちました。日本の大手不動産には、保有する賃貸不動産に巨額の含み益があり、含み益を勘案すると買収価値から割安な銘柄が多いことに、スポットライトが当たり始めています。

 今になって、不動産株が注目される理由として、以下が考えられます。

【1】日本の地価が底入れ、上昇し始めていること
【2】日本の上場不動産各社には、保有不動産に巨額の含み益があり、含み益を勘案すると株価は割安と考えられること
【3】株価割安な企業に対して、東証が改善策を求めていること。今後、ガバナンス改善によって、株価を意識した経営が増えてくる期待があること

 国土交通省が発表した2024年1月1日時点の公示地価(全国・全用途平均)は、前年比2.3%の上昇でした。バブル期の1991年(前年比+11.3%)以来、33年ぶりの高い伸びとなりました。国際比較で割安となっていた日本の株価、物価、賃金に加え、地価にも上昇の波が押し寄せ始めています。

公示地価(全国・全用途平均)1月1日時点の前年比騰落率(%):1972~2024年

出所:ブルームバーグより楽天証券経済研究所が作成