日米の金(ゴールド)は中長期的に上昇か
国内小売の主たるけん引役であるドル建ての今後の動向について考えます。以下は、過去半世紀の国内小売とドル建ての価格推移です。足元、両者ともに史上最高値水準で推移しています。長期視点で、ドル建てが上昇すると国内小売も上昇する傾向があります。
図:国内大手地金商およびドル建て金(ゴールド)の価格推移
以下に記した短中期(三つ)、中長期(三つ)、超長期(一つ)、合計七つのテーマを俯瞰することで、今後の動向を考えやすくなります。
短中期的には代替資産起因の下落圧力(株高)にさらされながらも、有事ムード起因の上昇圧力(複数の戦争などによる不安)、および代替通貨起因の上昇圧力(米利下げがもたらすドル安)によって、上昇するとみています。
中長期的には、新興国を中心とした中央銀行の金(ゴールド)保有量増加や、採掘コスト上昇により鉱山生産が減少する懸念などが上昇圧力をかけ続けると考えています。中長期的なドル建ての上昇に追随し、国内小売も上昇する可能性があるとみています。日銀によるマイナス金利解除や利上げ検討でも、国内小売は上昇し得ると考えます。